見出し画像

6月3日は マレーシアの国王の誕生日

6月3日は、現在のマレーシア国王である「イブラヒム国王」の誕生日で、国民の祝日です。
実は、今年は「イブラヒム国王」の初めての誕生日祝日なのです。
マレーシアは、世界でも特異な立憲君主制を布いている国です。
今回の note では、この国王制や、現在の国王について紹介したいと思います。

国王が輪番制⁉

マレーシアには13の州があり、そのうち9つの州には「スルタン」と呼ばれる、各州の世襲制の君主がいます。
マレーシアでは、このスルタンを置いている9つの州の州王が、持ち回りで、5年ごとに国王(「Agon」 アゴンと呼ばれます)を務めます。
つまり、マレーシアの国王は、基本的には5年ごとに変わるのです。
マレーシアは事実上、世界で唯一「輪番制の王制」をしいている国なのです。
(マレーシアの国王については、伊藤充臣さんの『マレーシアの次期国王が「決定」しました』に詳しく書かれていますので、ご覧ください。

国王の誕生日は毎年6月の第1月曜日

マレーシアの国王は5年ごとに変わるため、そのたびに国王の誕生日が変わっては大変なので、2021年から、国王の誕生日は毎年6月の第一月曜日とする、と改正されています。
この取り決めも、輪番制と同じで、マレーシアらしく、柔軟で現状に即していておもしろいですよね。

現在の国王は新国王

現在のイブラヒム国王は、1957年にマレーシアが独立して以来、17人目の国王になり、今年の1月31日に即位しました。
即位の当日には、伝統的な衣装に身を包み、金のサーベルを手にして、クアラルンプールにある王宮「イスタナ・ネガラ」で宣誓し、誓約書に署名しました。
イブラヒム新国王は、ジョホール州の州王で、国王としての在位期間は5年です。

国内でも裕福な人

イブラヒム新国王は、革新的で熱心な、ビジネス志向型の新しいタイプの州王として知られていました。
新国王は、ジョホール州や国に利益をもたらす、巨大インフラの開発を積極的に推進してきました。
日本でも話題になった「クアラルンプール・シンガポール間の高速鉄道計画」を推進している一人でもあります。

また、新国王は、マレーシアでも最もリッチな人物の一人であり、彼の家族資産は、57億ドル(約9,000億円)とも言われています。
非常に熱心な車愛好家で、ヒトラーから贈られたと伝えらる車も含め、300台以上の高級車を所有していて、さらに、ボーイング737も保有しています。
さらに、私設の軍隊を持つ、マレーシアで唯一のスルタンでもあります。

象徴的な存在

マレーシアの国王は、日本の天皇にも似て、象徴的な存在です。
国家の文化的・宗教的な統一の象徴としての役割が非常に大きく、特にイスラム教の守護者としての役割が重要です。
一方で、日本の天皇よりも、より多くの権威や権限を持っていて、特定の状況においては、政治的な影響力を発揮することもあります。

マレーシア国民の国王に対する感情は、伝統や象徴的な面で非常に尊敬しています。
一方で、政治的・社会的な面では、複雑な感情も持たれているのも事実です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?