見出し画像

【ヘルスケア×お金】医療保険にまつわるお金の話

今回は医療保険にまつわるお金の話のうち,家計に影響のある内容をまとめていきたいと思います(制度体系の詳細には触れないのでこちらをご参照ください)。

▶︎ 時短用まとめ

★ 公的医療保険の給付内容を理解し,不要な民間保険への支払いを見直して家計を改善しましょう。

① 保険診療における医療費の自己負担額は3割以下

② しかも高額療養費制度により,保険診療の自己負担額には上限がある
・例えば,標準報酬月額が28〜50万円の方は,最大でも10万円/月くらいに収まります(詳細は厚生労働省保健局資料もしくは全国健康保険協会HP)。

③ 病気やケガ,妊娠・出産で働けなくなっても給付を受けられる
(健康保険を例に)
 - 傷病手当金:月給の約2/3(対象日数分),最大1年6ヶ月
  → 障害年金制度もある(関連note
 - 出産手当金:月給の約2/3(対象日数分),産前42日間〜産後56日間
 - 出産育児一時金:1児あたり42万円
 - 埋葬料(家族埋葬料):5万円
  → 遺族年金制度もある

【注意】国民健康保険(自営業,フリーランスなど)では,傷病手当金出産手当金の給付はありません。

以上のことを踏まえて,将来への漠然とした不安を解消し,具体的なお金のライフプランを作成して,民間の医療保険の必要性や補償範囲を考えると家計改善に繋がるかもしれません。

必ずしも民間の医療保険が不要とは思いませんが,将来が不安という漠然とした理由で不要な民間保険の保険料を払い続けるのはもったいないです。

貯金では備えることができない『確率は低いけど,損失が大きい』事態に備えるために民間保険の活用を検討しましょう。

画像1

引用:リベラルアーツ大学『図解でわかるお金の基礎知識まとめ【貯める力 -支出を減らす力-】』

なお,民間の医療保険への加入を検討する際には,今後まとめる予定の『年金保険』や『介護保険』による支給額についても考慮する必要があると思います。

*********************
これ以降は詳細に言及していきたいと思います。

▶︎ 医療保険制度の種類

① 被用者保険(健康保険,共済組合など):会社員や公務員などが加入
② 国民健康保険(国保):自営業者,フリーランスなどが加入
後期高齢者医療制度:75歳以上(もしくは65〜75歳で一定の障害の状態にある人)
→ 対象の方は保険料が発生するため,その保険料負担も考慮する必要があります(それまで不要で保険料を払っていなかった方も保険料支払いの対象となります)。
※ 後期高齢者医療の保険料についてはこちら
→ 正直,これを見てもよくわからないですが,厚労省によると令和2・3年度の保険料は平均で月額6,397円とのこと(プレスリリース)。

▶︎ 健康保険の給付内容について

健康保険を例に,実際にどのような場面でどのような給付を受け取ることができるのかを見ていきましょう(より詳細は全国健康保険協会HPをご覧ください)。

療養の給付:業務外の事由により病気やケガをしたときに,健康保険で治療を受けることができます(お金の給付のことではなく,医療行為を受けることができることを指しています。療養の給付の範囲はこちら)。
→ 健康保険証の提示により自己負担額が3割以下となります。

画像2

※ 65〜75歳で一定の障害の状態にある人は1割負担。
引用:厚生労働省『医療費の自己負担について』

高額療養費:同一月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合,一定の金額を超えた分が後から払い戻されます。
※ 条件によっては,複数医療機関での医療費や世帯での合算が可能です。
※ 高額になることが事前にわかっている場合には『限度額適用認定証』を提示することで一時的な支払いを避けることもできます。

画像5

引用:厚生労働省保健局『高額療養費制度を利用される皆さまへ』

傷病手当金:被保険者が,業務外の事由によって病気やケガのために会社を休み,事業主から十分な報酬が受けられない場合に現金給付されます。
→ 最長1年6ヶ月,以下の計算式で算出される額が支給されます。
※ 要はざっくり月給の2/3程度(対象日数分)が支給されます。

画像3

引用:全国健康保険協会HP『病気やケガで会社を休んだとき』

※ 平均値:休業期間 33.47日,給付金額 182,414円(協会けんぽ『現金給付受給者状況調査報告(平成29年度)』)

出産手当金:被保険者が出産のために会社を休み,その間に給与の支払いを受けなかった場合に現金給付されます。
→ 出産の日以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で会社を休んだ期間が対象。
※ こちらもざっくり月給の2/3程度(対象日数分)が支給されます。

画像4

引用:全国健康保険協会HP『出産で会社を休んだとき』

出産育児一時金:被保険者及びその扶養家族が出産された時に,協会けんぽへの申請によって1児につき42万円が支給されます。

埋葬料・埋葬費:被保険者が業務外の事由により亡くなった場合,埋葬を行う方に『埋葬料』として5万円が支給されます。
また,被扶養者が亡くなったときは,被保険者に『家族埋葬料』として5万円が支給されます。

● 健康保険によるその他の給付内容はこちら

▶︎ 【付録】共済組合と国民健康保険の給付内容

● 共済組合の給付内容:共済のしおり2020(厚生労働省)

● 国民健康保険の給付内容:保険者によって異なります

画像6

引用:価格.com『国民健康保険(国保)』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?