【解説編】#15「パンドラ」
# 14 でかなり?込み入った設定を持って詩作した作品を上げた流れでこちらも。
毎度の毎度の初っぱなからのネタバラシですが、これは年上の女性からかなり年下の男性への恋心を書いたものです。
この詩を書いたのは今から10年くらい前になります。その頃、芸能人のスキャンダルなどで10歳以上年の離れた年上の女性と年下の男性との恋愛が話題になる事が度々あったりしたことから発想を得ました。さらにそれから後にもですが、ただ年上女性というだけでなく既婚女性が年下の独身男性と出会い系などで知り合って、痴情のもつれから事件に発展したりなんて事も良く聞くようになった気がします。そんな話題を聞くなかで、そういう年上女性と年下男性の関係を書いてみたいなと思って書いたものです。
どうせ書くなら(あくまでもファンタジーですしw)状況は禁断の恋ってやつだなと。女性は既婚者かな。恋愛関係にある男性は10以上歳下の20歳前後くらいで。もちろん彼女は男性にガチ恋。だけど大人の女性の余裕を繕ってるし、そんな想いを男性にマジに伝えてドン引されても痛いから割りきった関係だというように振る舞ってる。男性側の本心はどうなんだろう?彼女が本気だということに気付かないほど鈍感ではないだろう。もしかして彼も本気になり始めてる??それとも面倒な展開になったらさっさと関係を切ろうと思ってる??まだ子供だと思ってるけど本当はそうでもないのかもしれない。けれど彼が「若い」から彼女はその「若さ」を好きになってるのも事実。今はこんなにも彼の事が好きだけれど彼が今の「若さ」を失ってしまったら好きではなくなってしまうかもという事にもそれなりに年齢と経験を重ねている彼女は気付いている…。そして「大人になんて ならないで」のフレーズは彼女から彼に向けたメッセージのようでありなから、実は大人としての考えに縛られている彼女自身に向けたメッセージでもあるのかもしれません。
自分的に気に入ってる表現は「言葉にしては駄目だから手紙にも書かないよ」というフレーズです。言葉にしてはダメな想いを言葉にして綴ってるわたし!!!天才かよ!!!と読むたびに震えます(笑)。
そしてタイトルにもしている『パンドラ(の箱)』。このお話は多くの人が1度は聞いたことがあるかと思いますがここでもざっと説明しておきますと…
パンドラとは~ギリシア神話に登場する女性で神々によって作られ人類の災いとして地上に送り込まれた。人類最初の女性とされる。パプロメテウスが天界から火を盗んで人類に与えた事に怒ったゼウスは、人類に災いをもたらすために「女性」というものを作るようにヘーパイストスに命令したという。ヘーパイストスは泥から彼女の形をつくり、神々は彼女にあらゆる贈り物を与えた。アテナからは女のすべき仕事の能力を、アプロディーテからは男を苦悩させる魅力を、ヘルメスからは犬のように恥知らずで狡猾な心を与えられた。そして、神々は最後に彼女に決して開けてはいけないと言い含めて箱を持たせ、プロメテウスの弟であるエピメテウスの元へ送り込んだ。美しいパンドラを見たエピメテウスは、プロメテウスの「ゼウスからの贈り物は受け取るな」という忠告にもかかわらず、彼女と結婚した。そして、ある日パンドラは好奇心に負けて箱を開いてしまう。するとそこから様々な災い(疫病、悲嘆、欠乏、犯罪などなど)が飛び出した。しかし、「エルピス」のみは縁の下に残って出て行かず、パンドラはその箱を閉めてしまった。こうして世界には災厄が満ち人々は苦しむことになった。「かくてゼウス(全知全能の神)の御心からは逃れがたし」(ゼウスはこうなる事を最初からわかっていた)という言葉をもってこの話は締めくくられる。「エルピス」を「希望」とする説では、「実際の幸福は逃げ去ったが、いつかは幸福が手に入るという希望が残っている」と解釈することができる。「希望が人間の手元に残った」という解釈が一般的である。また、箱に災厄が詰まっていたことから、「エルピス」も悪いものだとする解釈もある。災厄は辛いものだが、それが襲い来ることを予め知るのは最も辛いことだとして、エルピスを「予知、悪いことの予期」と解するのである。(以上。Wikipediaより抜粋)~
というわけで、年上の彼女を『パンドラ』、その心を『箱』に例えています。まぁこの『パンドラ(の箱)』のお話も良く詩や小説、映画等に使われてるモチーフではありますが。
彼女は災いが起きないようにその本心を絶対に明かさないと最期に誓っていますがその意志は貫けるのでしょうか?ダメと思うほど逆らいたくなるのが人の心。パンドラが箱を開けてしまったように彼女も8割?いえ9割方本心を打ち明けてしまうかもしれませんね。その時、彼があっさりふってくれたらまだいいのかもしれません。ドロ沼の関係になってしまったら…なんとか殺生沙汰だけは避けてもらいたいところですが。はたして、彼女が箱(心)を開けてしまった後、最期に残ったものは…。
わたしが書いたのはフィクションですが、現実の恋愛関係でも男女や年齢の設定問わず実はわりとよくあるお話だったり。この詩はさらっと読んだら大人の恋の物語に思えるかもしれませんが、ジャンル分けするとしたら実はホラーなのかもしれません。ね!?!?
~fin
追伸:この詩のネタの裏話としては実はまだここに書かなかった事もあるのですが…それは今はまだ書かないでおきます。わたしの心の箱はいつかまた書きたい気分にでもなったらその時に開けましょうか(^_^)