Perspective

私が世界をどう認識しているか彼は知らない
彼が世界をどう認識しているか私は知らない

フィジカルの世界がパーソナライズされた幻想によって構築されているなら
デジタルの世界も個の認識によって
多元的に存在されることが必要になってくるのではないだろうか

映像コンテンツは不特定多数が均質であるために正投影(Orthographic)的な提供がされる.現代において映像は,画面内で展開される世界を俯瞰的に眺める観測装置のようなものと考えられる.無限遠から観測されたような見え方は我々人類が神にでもなったかのようだ.近年頻繫に使用される「没入感」を,その世界内部に入り込むような感覚と捉えるなら,正投影的な提供から抜け出すことを考えなければならないだろう.

画面でパーソナライズされた映像を届けようとすれば,ある人物にはその世界は正しく映るかもしれないが,その他の人物には歪んで映るのだろう.