仕事に効く教養としての「世界史」 出口治明

【印象に残った言葉】

・九州北部の生態系だけで農業をやっていたら、たとえば、1万人くらいしかご飯が食べられないのに、鉄が入ってくることによって10万人を養うことができる。

 ⇒あまりそういう視点で歴史を学んでこなかった。少し考えたら想像できそうなこと。こういう発想力を鍛えたい。

・交易は必ず双方を豊かにするので、ずっと昔から行われてきました。交易こそが、世界をつなぐキーワードであると思います。

・技術が、いかに制度に影響を与えるか

・中華とは、周の都とその周囲の地域を示す言葉でした。

・自分が住んでいる生態系の中に、必要なものがなかったら、それを外部から持ってこなければ仕方がない。だから、ないものを知恵を絞って手に入れることによって、自分の住む生態系を豊かにすることが、交易の本質であると思います。

・貧しい生活を交易という平和的手段を使って、生態系を崩しながら豊かにしてきたのが人間の生き様でした。

・しかし、幸不幸は相対感ですから、農民たちはなんとなく、自分たちが蚊帳の外に置かれているような気分になります。

 ⇒必ずしも自分は衣食住が満たされており、最低限の生活は確保できているのだが、もっと贅沢している人を見るとつまらない、自分ももっといい思いをしたい、という感覚

・真の保守主義には、イデオロギーがないのです。・・・人間がやってきたことで、みんなが良しとしていることを大事にして、まずいことが起こったら直していこう。それが保守の立場です。

【感想】

 今まで習ってきた世界史の概念とは違う視点を与えてくれる本でした。そうやって歴史を見ることができるのかと目から鱗の考察が多く展開されていました。

 基礎的な歴史の知識も危うい状態での読みだったので、すんなりわかったところと、前提知識がきちんとないためによくわからなかったところとが混在していました。いろいろと歴史について学んだあとに、もう一度読み返したい本です。

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