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ユダヤ人大富豪の教え 本田健

【印象に残った文章】

〇君はもうすでにお金にこだわっている。お金にこだわっていると、幸せな金持ちにはなれないんだよ。幸せな金持ちは、心が白紙の状態で生きている。あるがままを見て、言葉どおりを聞いて、感じるままに生きている。一方、ほとんどの人間は自分の見たいものを見て、聴きたいものを聞き、自分らしく生きているつもりで、他人の望む人生を生きている。私の言っていることがわかるかね?

〇成功する人間は、ものがその存在のありのままに見える。しかし、普通の人は違ったものを見る。偏見やおそれ、ゆがんだ価値観、倫理観からものを見るので、何も見ていないのと同じだ。物事の本質を見抜く目を持つこと、それこそが幸せに成功するための大切な要素なのだ。

〇君は、自分の好きなことをやらずに、これまで、周りの望むことばかり考えて生きてきたはずだ。・・・周りの望むことを上手にこなす人生を生きてきたなら、自分が何者かわからなくなるのも当然だ。・・・あまり深刻に考えなくてもいい。処方箋は、自分の好きなことを日常的に少しずつやることだ。小さいころから自分が好きだったことを思い出して、それをやってみることだ。

〇普通、人は「得意なこと」と「大好きなこと」を混同してしまう。・・・パッと見では、大好きなことをやっているように見える。そこに隠された動機は、「大物に見られたい」とか「人生を生きる躍動感を感じたい」というものだ。その人がやっていることは、「自分が好きなこと」ではなく、「自分が得意なこと」だ。・・・「自分が好きなこと」はもっと静かで、落ち着いたものなのだよ。周りの人間が評価してくれなくても、それをやるだけで楽しくてしょうがない、時間を忘れてしまう、そんなことだ。

〇自分の好きなことをやっている人は、他人をうらやんだり、批判したりしない。そんなヒマがあったら、もっと好きなことをやりたいからね。この社会の人間がみんな好きなことをやっていたとしたら、どれだけ平和になるだろう。

〇自由な心の力を使わずして、人生の目的にはたどり着けないのだよ。それには、自分が何をやりたいのかを知ることと、今やっていることを愛することの二つが必要だ。・・・好きなことをやっている人でも、朝から晩まで百パーセント楽しんで、喜びだけでやっているわけではない。好きなことの中にはイヤなこともあるだろう。それも含めてやっていることを心から愛することができるかどうかだ。

〇大好きなことに巡り合ういちばんの方法は、今やっていることが何であれ、それを愛することだ。目の前にあることを愛し、それに全力投球できれば、あとは、導かれるように次々におもしろい出会いやチャンスに出くわす。

〇郵便配達は自分のやることではないと言って、いい加減にやっていたら、次のチャンスを引き寄せることはなかっただろう。「すきなこと」探しの旅を続ける連中には、このことがわかってない人間が多い。いま目の前にある状況から逃避してばかりでは、せっかくのチャンスも目の前を通り過ぎて行ってしまうのだ。

〇人生は、「考えること」と「行動すること」の二つでできている。いままで考えてきたことと、思考の結果行動してきたことの集大成が君だ。

〇高等教育を受けた人間ほど、何が有利か、得か損かしか考えない。すぐ計算してしまうので、自分の本当の欲求に気づかない。

〇朝から晩まで、自分が発する言葉を紙に書くといい。それは、人を励ましたり、相手の可能性を広げているだろうか。それとも、人の足を引っ張ったり、自分をおとしめたりしているだろうか。

〇ほしいものが出てきたら、一週間待ちなさい。それでもほしいものは、もう一週間待ちなさい。それでもほしければ、そこで買ったらいい。この少しの時間を待つクセがあれば、余分なものを買う確率がぐんと減る。

〇間違っても短期間で儲けてやろうと思ってはいけない。御客に喜んでもらえば、その人は、君に一生お金を持ってきてくれる。だから、儲けることを考えずに、どうやったらお客を楽しませ、喜ばせられるだろうかと考えることだ。

〇周りの人すべてに支えられて、いまの自分があるというふうに感謝をして毎日を過ごす人間と、「これは俺がやったから、これくらいの成功は当然だ」と傲慢に開きなおる人間とでは、どれだけ将来の差が出てくるだろうか。

〇どうしても、相手を幸せにしたいと考えたり、相手に幸せにしてもらって当然だと感じがちだし、言ってしまいがちだ。でも、誰かが他人を幸せにすることはできない。人は自分しか幸せにできないのだよ。

〇反対や批判をどう捉えるか・・・批判は、単にその人が物事をどう考えているのかという意見表明にすぎないということだ。君の価値とは全く関係がない。・・・批判の本質は、君が前に進むための向かい風なんだ。

〇なにごとにも動じずに、淡々と生きることが、いちばん大切な心構えなのだ。

【感想】

 お金、ビジネス、人間関係にまつわる「人間学」の本だと感じました。自分の子どもが自分の進路や将来を考え始めたころにそっと手渡してあげたい本です。もちろん、今の自分にとってもいろいろと考えさせられる本でした。

 本質的な原理原則が軽い物語調で書かれてあるので、聞いたことがあるような話ではありますが、それでもやはり自分はその「わかったつもり」になっている原理原則を実行できていないなと感じました。

 私は周りの人に影響されやすいので、すぐに自分自身の好きなことや歩みたい人生をないがしろにしてしまいます。損得勘定をすぐにしてしまいますし、それによってかかる労力ばかりに気を取られ、周りの役に立って幸せな人生を歩もうという発想すら気づけば頭の隅に追いやられていることが多いです。

 ただ、そうであるならば、こういう原理原則に意識的に触れる時間を増やし、徐々に自分の思考回路をそれに沿わせるように地道に軌道修正するしかないかなと感じています。

 また、自己中心的な考えばかりに陥っていると自分で気づいたときにこの本をもう一度読もうと思います。


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