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演劇的嘔吐

サルトルと演劇を結びつけてみる。

人間とは、暗転板付きからいきなり全部の照明が自分自身を照らした状態。投企である。
目の前には満席のお客さん。たくさんの他者が自分を見つめている。
何かをしなくてはいけない。しかし、本があるわけではない。役が決まっているわけでもない。即興で演じないといけない。その人は、自由の刑に処されている。何かを考えてやろうとするが、それは作られたものとは程遠い、その人そのものである。その人の本質などない。ただ、その人がそこに立っているに過ぎない。
実存は本質に先立つ。元々、その人はその人であったのだ。それならば、演劇でもその人をそのまま出すでいいではないか。
自分を変えていくのは他者である。積極的に舞台に立っていけ。アンガージュマンよ。即興でお客さんを楽しませてくれ。

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