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五城目町の地域図書室を考えよう

8月になりました。今年は現在のところ秋田県五城目町は
例年と比べて冷夏で、日照時間が不足しています。

昨年の夏がすごく暑かったのと比べて、今日(8月5日)は
明け方少し寒いぐらいの温度(24度)でした。

そんな中で、7月に行った五城目トーキングアバウトの動画がようやく
完成しました。参加者が話された内容を全部確認し、流れが伝わりつつも
全部で3時間半ある動画を1時間に編集しました。

参加していただいた五城目町内の皆様、高知大学の須藤さんをはじめとした皆様に改めて感謝申し上げます。



この図書室(図書館)について、先日ARG(Academic Research Guide)の岡本真さんのお話をオンラインで聞く場があり、とても参考になりました。それをもとに私の五城目地域図書室への意見も記載しておきたいと思います。

※岡本真さんのお話は灰色の部分です。松浦真個人の意見は灰色部分の下に記載しました。


1,図書館は2週に1回、人が必ず来るスペース。

図書館で借りた本は2週間で返却期間を設定することが多く、90%を越える人は期日を守って返却をします。つまり、2週間に1回必ずその場に来る目的を持つことになります。
図書館では、その状況が必ず生まれやすく、その近隣に消費行動につながる空間や行政からの情報を伝える場所としては、最適です。

五城目の図書室でもこのような人が集まり、コーヒーが飲めたり、朝市と連携したチャレンジショップのような場所が生まれることも期待したいです。


2,図書館が持つ保障する場所としての意味

アメリカでは、インターネットの接続環境が各家庭によって違いが多くある。そのため、図書館は本を読む場所、借りる場所でももちろんありますが、インターネットに接続することを保障する場所にもなる。

アメリカでは、日本でいうハローワーク的な機能を提供できることが市民への保障につながる。日本は、来てもらって賑わいを生み出すだけの図書館の使い方でしか使えていなかった。非来館利用の促進がもっと検討されるべき。※インターネットは当時、未来の図書館として認識されていた

五城目の地域図書室はスペースの問題および、図書「館」ではなく、図書「室」であるため、所蔵する本に限界があります。
そのため、無い本をインターネットを利用して秋田県立図書館などで予約して、図書室で借りるという運用も可能になると思います。


3,図書館としての特色を持つこと

岩手県紫波町では、図書館が出来てから農業についての専門書を数多く揃え、それらの本を読む勉強会も企画し、農業の生産性向上などに積極的に取り組んでいる。
なので、図書館の公民連携の 民 に民営企業だけではなく、市民や町民を入れていくことを考えいくべき。

つまり、地域の実情に合わせて 総花的に歴史小説や児童文学などをなんでも一律に同じ量だけ導入するのではなく、地域特有の特色を持った選定も図書館法に基づいて可能です。
五城目で新しく出来る場所は年間の図書購入費も少ないと言われていますので、なおさら、他の図書館で借りることのできない特色ある本を選定することが地域の図書室をより充実したものにすることにつながります。

4,図書館のこれから

図書館の存在意義として
蔵書の 保存→収集→整理→提供→保存・・・というサイクルを維持すること大切です。
そして、同時に 知る自由を保障する図書館 は地域において経済的格差に関係なく、健康で文化的な最低限度の生活につながります。

ですから、自治体には「交流創発x知識創造」を視野に入れた図書館整備の一貫性が求められます。
2015年に話題になった、「学校がつらい子は図書館へ」というtweetが鎌倉市図書館から出されました。リカレント教育(生涯学習)で、大人も学びなおしとして、MOOCなどを利用した図書館での自己調整学習が出来る場所として図書室が機能することは重要なことです。



まさに、知る・学ぶ場所であると同時に図書館(図書室)は子どもたちのセーフティスペースとしても存在することができます。今後は、N中、N高などのオンラインを中心とした卒業資格が取れる学校も充実してきており、個別最適化した学びを進めていく上で、学ぶ場所が図書館という子どもたちが一定数増えてきます。

また、越える学校がコンセプトとなっている五城目小学校では、子どもの学びだけではなく、これらの大人と子どもの学びの数年後を視野に入れた「交流創発x知識創造」をどのように進めていくのかが図書室運営のテーマになると思います。

5,図書館の評価

全国的に取り入れられている方法として貸し出し密度住民一人あたりで年間何冊借りているかを把握する方法がある。
実質貸出件数6~7冊借りられている場合は、よい感じ。年間10冊借りてもらうとうまくいっているという事例になる。
しかし、一方で貸し出し件数だけは、期末に職員がコントロールするなどの良くない事例も一部の自治体で出てきている。
よって、一番望ましいことは、行政による住民満足度調査の中に図書館を入れていく。
市町村の全政策の中における現時点の定住者の満足度に影響を与えるものは、おのずとテーマとしてTOP10以内に入っていく。


住民サービスの中で、一番触れていく図書室について意見を評価を直接もらうことで、行政職員としてもエビデンスベースドな運営が可能になります。それが図書室の公民連携の ”民” に民営企業だけではなく、町民や関係人口となる町外の人も関わっていきやすい状況につながります。

五城目小学校新設にともなって併設される地域図書室。
動画内にもありましたが印刷機を置くことで、地域住民が情報を伝えたり、発信する場所にもなると同時に、図書室としての機能を担保しつつも、そこから派生する様々な可能性を常に検討していくことが必要と感じます。

また、ルールをがんじがらめにして行政だけが運営する場所から、町民と共につくっていく場所にすることも大事なのでそのためのワークショップやオープンMTGなどの開催も提案していきたいと思います。

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