切支丹との習合習俗
堺の旧市街に阿免寺つう阿弥陀如来の上に十字架描かれておる本尊のあるカクレ切支丹縁りの寺があるが、マリア観音とは違う系統のカクレ切支丹やねんなあ。マリア像地下に祀って秘密の礼拝所あったつうんやが。阿免寺つうたらまんまやが。キリシタンとかヤソをアーメンさんつうねんな。
堺の旧市街ってのは室町時代から街やから基督教とかも入ってきて教会とかはようにあってんな。あり得ない感じで実にラテンな街なとこあるねん。
古い時代の日本というのは仏教と神道が習合していたが、基督教が入ってきてからそれらと習合したとするなら、阿弥陀如来の上に十字架描くということになるわけである。
堺の旧市街を舞台に蓮見恭子が書いたシマイチ古道具商という小説があるが、阿免寺のことがちらっと出てくる。カクレ切支丹がそれと気付かれぬように祭具を拵えたものが見つかったとなるとそれは見事に文化財で、そういうこともあるかもなあと思わせるように描かれている。