「プロでもないのに、そんなにジャグリングして役に立つの?」と聞かれたときに参照する書籍3冊

はじめに
このnoteでは、私が「プロでもないのに、そんなにジャグリングして役に立つの?」と聞かれたときに読み返したくなる書籍3冊を紹介します。

①「趣味に生きる」の文化論

趣味の観点で参考になるのが『「趣味に生きる」の文化論』です。

『「趣味に生きる」の文化論』は、「カジュアルレジャー」と「シリアスレジャー」の概念を説明し、趣味について深く議論しています。

 「趣味に生きること」についてひとたびまじめに考えてみようとすると、実はたくさんの疑問がわいてくる。本書『「趣味に生きる」の文化論』は、こうした疑問について考える材料を提示し、少しでも答えを出してみることを目的としている。

『「趣味に生きる」の文化論』本書の基本的な視点

著者である杉山氏が執筆した論文「レジャースタディーズにおけるシリアスレジャー研究の動向 : 日本での導入に向けて」では、「生活の質に対する効果の解明」(成人の生活の質にどのように寄与するのか)への言及があります。より実用的な説明が求められるときにはこの論文を参照します。

私にとってのジャグリングは、シリアスレジャーです。

私は、私がなぜジャグリングに熱中し、そして「趣味に生きてきたか?」という疑問が、本書を通じて少しづつ解消していきました。自己理解の一助となった書籍です。

「シリアスレジャー」という言葉のおかげで、趣味への向き合い方が上手くなりました。

②生涯スポーツの理論と実際

スポーツの観点で参考になるのが、『生涯スポーツの理論と実際』です。

生涯スポーツの理論と実際

『生涯スポーツの理論と実際』の「総論」では、「生涯スポーツへの意義」がライフステージごとに整理されています。

例えば、「成人」に焦点を当てた章では、基礎理論として最初に「レジャーとは」という説明があります。
前述の『「趣味に生きる」の文化論』とも重なる内容です。

私は、ジャグリングを生涯スポーツの観点で理解するときに、本書に助けられました。

ジャグリングを続けていく私のライフスタイルに対する周りからの影響、周りへの影響について長い時系列で理解することができました。

③コンクール文化論

大会・発表会の観点で参考になるのが『コンクール文化論』です。

コンクール文化論

本書は、音楽コンクール、オーディション、ダンススポーツ、ポールスポーツ、バレエなどからコンクールについて論じていきます。

人はなぜパフォーミングアーツを競い合うのか。本書はこの問いに対して単一の回答を提示するものではない。

『コンクール文化論』序章

印象に残ったのは「発熱するコンクール」です。

歯車が歯車を動かすように、コンクールは次のコンクールに作用する。
(中略)
多くの人が注力すればするほどコンクールは熱くなる。その熱がさらに人々をコンクールに駆り立て、音楽のあり方を変えていく。車輪は熱を発しながら回り続けている。

『コンクール文化論』発熱するコンクール

私は、「熱」とその作用について本書で理解しました。「ジャグリングの大会が次の大会に作用する時代」に居たこと、そして私も作用を生み出していたことを実感しました。

本書は、さまざまな分野のコンクールを題材に議論を展開することで、私がジャグリングの大会に参加する(参加していた)意義、大会に関わる価値を補強してくれました。

私は、ジャグリングの大会や発表会に私たちが熱狂するのはなぜなのか(そんなにジャグリングするのはなぜなのか)、その背景には何があったのか、ジャグリング以外の業界の事例から理解が深まり、また世界が広がっていきました。

おわりに

このnoteでは、3冊の書籍を紹介しました。

ジャグリングを愛する皆さんが、「プロでもないのに、そんなにジャグリングして役に立つの?」と聞かれて、回答に困ったとき、少しでも参考になれば幸いです。

それでは。

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