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面白い習性をもったクモを見つけた

 郊外の住宅地にある自宅の庭には、時々珍しい生き物がひょいと顔を見せる。平たい殻の周りに毛が生えたような準絶滅危惧種のケマイマイや、派手な豹柄をした絶滅危惧I類のツマグロヒョウモンなど。最近では同Ⅱ類のニホンアナグマが、丸い体に短い足で家の前の道をノコノコノコと歩いていた。

 先日、妻が「足の先に白い毛が生えたクモがいた」と言いながら、スマホで写したばかりの画像を私に見せた。また絶滅危惧関係の虫かと思ったが、画面を拡大すると、足先の白いものはクモの網についた模様だった。

 調べてみると、レース編みのような部分は「隠れ帯」と呼ばれている。隠れ帯のデザインは、クモの種類によって違いがある。このクモは足先からX字状に四方に伸びており、コガネグモの特徴らしい。隠れ帯は単なる飾り物ではなく、餌の捕獲効率を高める秘密兵器であることが、近年の研究で分かってきたという。

 コガネグモは、鹿児島では姶良市の伝統行事「加治木町くも合戦大会」で競わせるクモとしてよく知られている。6月第3日曜日に開かれ、毎年テレビニュースで、長さ60㌢の棒上での一騎打ちの熱戦が報じられる。しかしコガネグモが、隠れ帯を作るなどの生態はほとんど伝えられない。レッドリストではなかったが、「ばあばのスクープ写真」として生き物好きの孫に送った。

 岸田首相は支持率アップを願って、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のカンダタのように、訪米という細いクモの糸を手繰っていった。が、衆院補選の全敗で、その糸もカンダタ同様プッツリと切れてしまった。


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