身の回りから居なくなるものたち
アキアカネ(俗に言う赤とんぼ)が激減しているという記事を目にした。アキアカネの減少は今に始まったものではなく、もう十数年前からその数を減らしていて、「何を今更言ってんだよ」と思うところである。そんなことを思いながらふと思い返すと、つい最近まで身近にいたのに、いつの間にか姿を見なくなった生き物が沢山いる事に気付く。街灯に群がる蛾(ガ)や、同じく明かりを点けていると網戸にびっしりくっついていた小さな綠色のツマグロヨコバイ、カナブンの仲間のハナムグリ、大きな巣を張る極彩色のコガネグモ、同じく大きな巣を張る漆黒で大きく厳つい姿をしたオニグモなんかは、もう十年近く見ていない。田んぼに行くと必ずいたバッタやイナゴ、そういえばトノサマガエルも全く見なくなった。少し思い返しただけでも、これだけの生き物が少なくなっている。これを淘汰と言う言葉で片付けてしまうのは少し乱暴だ。小さな生き物達が住むことの出来ない世界。言い換えると、虫すら居ないそんなしょうもない世界に私達も住んていることをしっかりと認識しなければいけない。写真の様な“夕暮れ”を迎えているのは、私達も同じ事だ。
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