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シャア様のお言葉とは関係ないけどね

 春でございます。企業でも新人研修を終えた方達が仮配属先へ続々と配置されて行きます。地方において比較的安定した収益とそこそこのステイタスをお持ちの企業には様々な伝手で、お坊ちゃまやお嬢ちゃまが沢山入社なさっておられまして、それはそれで品がよろしくて結構な事なのですが・・・
 競馬好きならば常識で、おそらくヒトにも当てはまる事かもしれません。父の特性は娘に、息子には母の父(祖父)の特性が引き継がれ、母の特性は男女問わず引き継がれるというのがあるみたいですね。(学術的な話ではないですよ。世間話レベルですから)多くの戦国武将が「これが男であったなら」と嘆くのは時代小説の中ばかりではありません。
 残念ながら地方における成功者は圧倒的に男性が多く、その成功者のお坊っちゃま・お嬢ちゃまはどうであるかというと、かなりの確率でお嬢ちゃまはデキル!しかも成功者の奥様の優美さも引き継いでいるのでまさに「才色兼備(差別的で古風な表現でごめんなさい)」であられる。
 一方でお坊ちゃまはどうか?というと、残念ながら成功者のお父様の特性は引き継いでいないので仕事がデキル訳ではない。ところがご幼少の頃からお父様が周りに対して指示をしておられるのを見てきたので、無意識に周りを指図しようとしてしまう。しかも彼らは地方のエリート校で「リーダーになりなさい」と教わってきたのでますます意気軒高に指図しようとしてしまう。無能で世間知らずな新人が、先輩方に向かって指図しようとしてしまう残念な事が起きてしまいます。
 欧米から仕事で我が国に来て永く住んでいる複数の経済アナリストが言っていました。「日本の企業で出世するのは、若い頃に一度だけ大きなプロジェクトを成功させ、それ以降は一切何もしないできた人物だ」お見事!
見回して見ればみょ〜に納得しませんか?
で、それは何でか?
 成功者は成功する過程において少なからず裏工作とか離反とかを行いながらその地位にたどり着いたので自分の直ぐ下に優秀なデキル者を置くと「かつて自分がした様に裏切られたり乗っ取られたりするのではないか?」と恐れているからです。
 ならば、かつてはデキル奴だったけどそれ以降は大人しくしている従順な部下を置いて安心したいという感情が働くのでしょう。
 欧米の企業においては闊達な議論と社内競争によって成長する事が望ましい姿ですが、日本においては「安心安全・安定が第一」。株主も急成長より安定成長を望みます。
 そんな訳で「一度だけ〜」の彼が登用されるのですが、彼はどこから来たのかと言うと、そうです。あのデキないのに指図ばかりしたがる彼が数年を経て社内の力流を学び、優秀な下請けやネゴ氏やデザイナーブローカーと繋がって自分は何もしないで右から左、最後にハンコだけ突いて勝ち得た成功なのです。
 当然の事ながら、世の中そんなに甘くはないので2匹目のドジョウがいるはずもなく、彼の成功は1度きりとなるのですが、あとは「かつての成功者」として会議の場で保守的発言と穏やかな人柄を振り撒いていれば次の座が降って来るというカラクリです。
 何の話だったっけ?
そうそう、新入社員さんのお話でした。
 新しい社会での人間関係や不思議な慣習や納得できない対応にイラ立つ機会も増えると思いますが、条理不条理、向き不向き、好き嫌い、色々考えて「コイツらダメだ」と思ったら、とっとと『次行ってみよう』泣く必要なんか無いんだよ。若いという事はそれだけで特権なんだから。 と退職後嘱託のジジイは思ふのです。

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