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Y田さんとS藤さん(TBC20)

1986年からのB社時代に編集マンさこうを作ってくれた師匠が2人います。

美化し過ぎだろ!
AIさん作画、左のYさんはだいぶよくできてます
同じプロップですが、右Sさんイメージあります

Y田さんはスポーツ編集の上司で言わば「魂の師匠」追い込まれてもどんなに苦しくとも、とにかく放送時刻内に必ず形にして出す。カメラや音声や記者やアナが下手だろうがしくじろうが、とにかく形にして時間内に仕上げる。と言う哲学を徹底的に叩き込まれました。そしてニュースステーションという番組から課されたコンセプト「人間が感情を爆発させて闘う姿を伝える」を表現方法として常に具現化すること。
ステーション終わりでアークヒルズ放送センターの地下から道路を挟んだ事務所に帰り、氷下魚の干物をかじりながら議論しました。「Z世代」なんて近頃言いますけど本当のZ世代はこの方達です。白いドカヘルに赤い横テープ、正面にデカデカと「Z」の文字、そう全学連世代の方でした。
もう1人の師匠S藤さんはクールで緻密な仕事師です。1インチ編集室を手作りで完成させる技術と知識、性格無比なフレーミング。オンエアが迫ろうが来てしまおうが構わない仕上げへのこだわり。S藤さんは何日徹夜しても様子の変わらない方でした。私がアシストに着いた時の事、36時間ぶっ通しで私はフラフラ、S藤さんは平然として「さこうゆらゆらして気になるから向こう行って寝てなさい」「す、すみません。休憩します」後ろを見るとディレクター達は既に爆睡していました。私は事務スペースの椅子で30分ほど仮眠して顔を洗って戻るとS藤さんは平然と編集を続けていました。しかし本当に凄かったのはその後でした。さらに36時間、都合72時間ぶっ通しで完成させた時は、その日が一体何日なのか分からなくなっていました。
S藤さんは後に当時まだ知られていなかったハイビジョンの編集室を作るために請われて会社をかわられました。
あ、師匠ではないけれども一番影響を受けた編集マンがもうひとり、M本さんです。
一言で言えば「人格は崩壊しているけれども編集は神業」の方で、例えばニュースステーションの横のテーブルで世間話して笑っていると、M本さんが血相変えて走って来て「おのれら、ワシの事馬鹿にして笑っとっただろうが!」激昂する。
名物コンビのスポーツディレクターM嶋さんとカットで意見が合わないと椅子を蹴る、ボールペンをへし折って投げつける。(M嶋さんも負けていなかったけど)
ね、人格崩壊してるでしょ?
でも本当に編集は素晴らしかった。彼のつないだドキュメントは見ているうちに見ている事を忘れてその中にいるような感覚になってしまう。一体どうしたらこんなに自然なつなぎができるんだろう?私はM本さんの編集したテープをフレーム数まで数えながら分析して研究しました。決して誰にも言わずに。

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