見出し画像

口が開かなくなりました...。どうしたらいいですか?

はじめに

こんにちは。
最近、このような訴えをもった患者さんがいらっしゃいました。

「顎が痛くて、口が開かなくなってしまって、心配です。」

若い女性の方でした。口が開かなくなるという症状は、一度で完治するというよりは繰り返すことも多いですから、心配になる方も多いと思います。

今日は、この顎の痛みや口が開かなくなるという症状についてと、どのように付き合っていけばいいのかを説明していきます!


顎の痛みについて

ひとえに「顎が痛い」といっても、そのパターンは複数あります。
「顎の筋肉が痛む場合」「顎の関節が痛む場合」です。

顎の筋肉に痛みが出ている場合は、痛む場所が顎の関節から離れているケースもあります。顎を動かす筋肉は顔の横全体に広がっているからですね。例えば、側頭部や頬などです。
そのような場所を触ったときに痛むのであれば、顎を動かす筋肉に炎症が起きている可能性があります


下顎は大きな構造物ですから、動かすためには大きな筋肉が複数必要になるのですね!
出典:httpwww.sakuranoyama.jpblog202011post-293-1500961.html

顎の関節に痛みが出ている場合は、痛む場所は耳の穴の少し前あたりになります。顎の関節が、耳の穴の少し前あたりに位置しているからです。
この部分を触ったときに痛みが出たり、顎を動かしたときにこの部分が痛む感覚があれば、顎の関節そのものに炎症が起きている可能性があります


口が開かなくなるのはなぜ?

続いて、口が開かなくなるという症状について説明していきます。

もともと口が開く大きさには個人差もありますが、だいたい縦に指3本入るくらいの大きさを開ければ正常範囲内と言われています。指3本は全く入らなかったり、明らかに昔より口が開く量が少なくなったという感覚があれば、口が開かなくなるという症状が出ているかもしれませんね。

口が開かなくなる症状の原因は、口を開けたときに痛みを伴うかどうかによって分かれます。

口を開けたときに痛みを伴う場合は、その痛みそのものが原因となっていることが多いです。一定以上開けようとすると痛みが出てしまうため、そこで開けるのを止めます。それによって、顎が痛くて口が開かないという状態になるのですね。

一方、顎の痛みを伴わない場合は、顎の関節にある関節円板という構造物が原因であることが多いです。
関節円板は、顎がスムーズに動くのをサポートする役割があるのですが、その関節円板の位置がずれてしまうと、逆に顎の動きに制限をかけてしまうことがあるのです。
この症状に関しては、こちらの記事に詳しくまとめてありますので、ご覧ください。↓


顎の痛みにはどう対処すればいい?

顎の痛みは、顎を動かす筋肉、もしくは顎の関節そのものが炎症を起こしている可能性があることを説明しました。それでは、そのような場合どうしたらいいのでしょうか?

基本的には、無理に顎を動かさないというのが対処法になります
炎症が起こっている場合は、その部位に刺激を与えないことが一番ですから、痛みがあるのに無理に顎を動かしたり口を開けたりすることは痛みを悪化させることになりますので、避けましょう。

また、顎に負荷をかけるような癖をやめることも重要なポイントです。
具体的にはどのようなものが該当するかというと、かみしめ、食いしばり、歯ぎしりなどです。

顎の関節というのは、基本的には力がかかってない状態がデフォルトです。つまり、上下の歯が当たっていない状態が理想ということです。ものを食べたりするときにはどうしても瞬間的に強い負荷が顎の関節にはかかりますが、顎の関節にとってはあまりよい状態ではないのです。

ですから、ものを食べていないときでも顎の関節に負荷がかかるような動きを続けていると、知らず知らずのうちに顎の関節には強いストレスがかかり続け、顎の筋肉は筋肉痛を起こします。それが一定量を超えると、痛みという形で発現するのです。
したがって、ものを食べるとき以外の顎の関節への負担を減らしてあげるということが、顎の痛みのコントロールには重要なのです

口が開かない症状にはどう対処すればいい?

では、口が開かない症状が出ている場合、どうしたらいいのでしょうか?

痛みが伴っている場合は、その痛みが消えないことには口を開けることは難しいので、まずは炎症が治まるのを待ちます。
したがって、痛みを伴うような無理な顎の動きをしないというのが大切です。痛くて口が開かないのは心配かもしれませんが、あせらずゆっくり対処していきましょう。

痛みが伴わず、口を開けることが難しい場合は、開口訓練というものを行います。その名の通り、口を開けるトレーニングですね。
もちろん、これは無理に大きく開けてはいけません。自分が開けられる範囲で、痛みの出ない範囲で、ゆっくり少しずつ行いましょう。痛みが出てきてしまったら、すぐに止めてください。痛みが治まったら、また少しずつ再開する、というのを繰り返していきます。
地道な作業にはなりますが、こちらもあせらず行っていきましょう!

おわりに

今日は、顎の痛み、口が開かないという症状について解説していきました。
大抵の方は、安静にする、悪い癖をなくすという2点で解決する方が多いです。しかし、まれに関節そのものに問題が起こっていたり、別の疾患の関連痛で顎が痛くなっている方もいらっしゃいます。
今回説明した対処法を行ってみて、それでも一向に改善しない場合はかかりつけの歯医者さんに相談して、必要な場所に紹介してもらいましょう!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?