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「話す」は「離す」に通じる

占い屋という職業柄、お客の秘めた話を聞く事も多い。

お客としては、ディープな話でも秘匿してくれるであろう赤の他人には話しやすいのだろう。勿論、私としても外に漏らす事は無いし、話したい事は存分に話して貰う方が安心できる。

さて、秘匿したい事を話すとはどういう状態なのか?

心に留めて置くと苦しいので少しでも手放して楽になりたいという心理状態にあることが大半だ。人間というのは不思議なもので、何かを伝えるための手段、特に日常的に使用しているその手段を失うと強いストレスに晒される。それが事故であれ故意であれストレスの度合いは変わらない。

秘密を抱える人間は故意に口を噤むものだ。これは伝える手段を自ら絶っている状態であり、秘密にしたい気持ちが強い程、話してはいけないという心理が働いて強いストレスに晒されることになる。

そのストレスから開放されるにはどうすれば良いか?

ストレスの要因となっているのは「人に話せない状態」なのだから、何らかの方法でアウトプットを行うしかない。話してしまえば、秘密を暴露した事を後悔するかもしれないが、ストレスからは開放される。

占いやスピリチュアル界隈では、より怪しげに聞こえる言葉を使って「自分に呪をかけた状態ですよ」とか何とか伝えて、こうした事を「話す事で手放してください」「呪いから離れましょう」と表現する。

一般的な言葉に訳すと「アウトプットできずに黙っている事そのものがストレス要因なので、まずはアウトプットしましょう」という意味だ。
何のことは無い。

「話す」はアウトプットを意味するので、心に渦巻くものを「離す」に通じる。

ただし、これは人に話す必要は無い。ノートに書く事、そしてそれを読み返す事もアウトプットであり、ストレスの緩和になる。秘匿しなくてはいけない事があるのならば、人に話す以外の方法で心を軽くする事もできると知っていて損は無いだろう。

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