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久しぶりのオムライス

ここ最近ずっとオムライスが食べたかったのです。
この前読んだ小説にオムライス大好き少女が出てきたせいかもしれません。

元々卵を使った料理は好きです。
けれど案外オムライスを選べる外食先に行くことはありません。
それにお店のご飯の量は、私の胃袋にはちょっとばかり多過ぎるでしょう。

ならばと今夜は久しぶりにオムライスを作りました。
きっと20年以上ぶりです。
今ならチキンライスの上にトロトロたまごをふんわりかぶせるタイプの方が人気なのかもしれませんが、今回は30年近く前から使っている料理本のレシピでいきました。

作っているといろいろ思い出します。
子どもたちか小さかった頃のこともですが、もっと前、私が会社員だった時期のことも。

私のOL(死語ですね。我が子の世代には通じません)時代、同じフロアにいつも綺麗な愛妻弁当を持ってくる男性社員がいました。
時折オムライス弁当の回があって、本当に美味しそうでした。
弁当箱の対角線上にオムライスが据えられ、空いているふたつの角には彩りの良いおかず。
ラップ上に絞り出されたケチャップはてるてる坊主の形に輪ゴムで留められ、爪楊枝で突くと黄色い卵の上に鮮やかな赤が添えられました。

もうその人の名前も思い出せないけれど、窓の大きな明るいオフィスで一緒にご飯を食べていた同僚たちの笑顔は、今も鮮やかに思い出されます。
おそらくかなり美化されて。

そんなこんなでオムライス。
優しいお味に仕上がりました。

(これは10月31日のFacebookに書いた記事を編集したエッセイです)

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