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写真と詩

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leicaで撮影した写真と、その風景から感じた詩を載せています。
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#世界

自己紹介

はじめまして。makotoと申します。 Leicaで撮る写真に憧れてインスタを中心に活動しています。 この度、noteを始めることにしました。 noteでは写真について詳しくコメントしていこうと思います。 はじめてお会いする方に、簡単に自己紹介をさせていただきます。 プロフィールmakoto(まこと) 東京都生まれ。 leicaカメラを使い、モノクロ写真を中心に撮影を行う。 2019年からインスタグラム(@mactips2020)で写真発表を開始。 主な受賞 ジェットダ

「東京クローズド」

東京が雪の洗礼を受ける 人々は戸惑う それはサヨナラが言えない思いに似てる もう会えなくなるのに 集まってくる光の粒 見下ろす僕らの世界 だるい空気 息が苦しく あの日から 雪の螺旋から抜け出せない それを留めることはできないのだから 僕はあきらめて カメラを持って東京駅へ 探している写真を求めて 雪という不誠実さに導かれ 激しいカミナリさえも凍える いくつもの翼が消えていく 何もない空 僕がここにいると手を振ったとしても 希望や理想より誠実な雪 白さに偽りはない

何処かで笑われたって

僕の感情はファーストフードみたいに冷めてしまった。 信じていたものより大事じゃないものに、偏ってしまった どんな言葉をもってしても君に手渡すことのできない午後 通り過ぎた夏 僕は薄明りで 君を探すけど  夜空は見えるだけ  それは僕ができること 何処かで 僕のことを笑っていても 構わないさ それでも 君の純粋さが この夜空に ちりばめられていれば 壊れたイヤホン かすかに聞こえるメロディ 遠くで鳴ってるラジオのよう 好きだった曲だったらよかったのに 僕は吐き気がした

「昔、空はもっと広かった」

「昔、空はもっと広かった」 * * 空いっぱいに広がる飛行機 影と風が僕らを覆う 行先にきっと誰かが待つだろう 今日は暑かった 映画も観なかった 僕が愛した国は 何処かへ消えた あの日から それは君も気づいているはず 羽を受け、風を味方にする どんな気分なんだろう ひとかけらでも、手にしてみたい 昔は、飛行機で 小さな自分でも描けた世界地図 今は、街角すら不安ばかり 夢見ていた頃、そんなんじゃなかった 秘密は、もっと楽しみだった 今は手放したものを 愛おしく、悲しく

振り向いてくれた夜に

「振り向いてくれた夜に」 * * かき鳴らすアコギ 誰に聞かれることもない 憧れの人 焼けるような夜 誰もが同じような空間 一瞬でも君に届けば 君の中で歌が響けば 何かがとろける この街は知らない 喜びや悲しみ 心が乱れて誰かを探す でも、この曲を聴くと 狼狽える君を慰めることができる わずかな時間 夢に似た歌で 嘘でもいい 永遠という言葉を君に届けたくて 雨でも暑さで、色褪せた景色の中でも そう、 初めて振り向いてくれた夜に "On the night you

「楽園の跡」

楽園の跡 オレンジに滲む高速ランプ 遠くの東京その空は 深夜なのに明るく照らす 誰もが越える山々 素顔のままの遠回り 僕たちは 裸足であるいた山頂 少し寒い でも ここが東京じゃないことがわかる 君は 「今のほうが生きやすい」 そう話してくれた その微笑みで少しだけ汚れていく 振り返る過去の道 僕は立ち止まってしまうよ 続く争い でも 過去だってそうだった 楽園にたどり着けば 痛みも苦しみも いつか消えて そう聞かされてきた 高原の雲 閉店したシャッター 遠くで

渇き

「渇き」 * * 雲が夏を告げる 肌で風を感じる 尽きる熱 人は別れ また出会う 何を守ろう 夜が星を呼んで 私はあなたを探す 太陽を手招き 溶けるアスファルト 道端に咲く花を探す 無くしてまた探して 季節に身を託して あなたを守ろう 振りまいた笑顔 泣いた横顔 季節は流れても あなたに心奪われ 渇きは尽きない Thirst * * "Thirst" * Clouds herald summer Feel the wind on your skin The h

「さよなら写真」

「さよなら写真」 * * 僕はどこまで世界を見渡せているんだろう 真実は遠い 夜はどこまで深いのだろう 忘れる儀式は、甘い口づけのよう 僕はどれだけシャッターを切れば 色の無い夢を見ることができるんだろう 自分を上手く見せたりできない 息苦しい世の中を選ぶ 僕は見えなくなっていく目を 少し伏せながら 太陽を眺める そして 「さよなら写真」 そう、呟いてみる "Goodbye Photo" * * I wonder how far I can see the wor

映画スラムダンクを観に行く

雪予報の新宿。仕事を早めに切り上げて訪れてみたものの、雪は雨に変わり、見慣れた風景だけが僕の前に寝そべっていた。 僕はカメラを持って街を歩く。だけど、期待した雪景色が無いことやあまりの寒さ。撮影を切り上げて、映画館の上映スケジュールを眺める。 「スラムダンク」という表題が目に留まる。気が付くとチケットを購入していた。 本来、アニメ原作の映画は否定的だった。それは「週刊誌の衝撃や手触り毎週の興奮、その原作の雰囲気を超えられない」という固定観念があったからだ。 映画が始まると

嫉妬

うなされて目覚める  身体が少しだるい TVではいつも憂鬱なニュース 裏腹に僕は体を動かす 少しでも世界に馴染ませる どこかで身もだえる 僕は何を恐れてる 君の傷は何? 僕の傷はどこ? 誰かに抱かれている君 僕の知らない誰かに嫉妬する どこかで、僕を操る感情 祈りの雫 人はどうして愛に溺れる それは、愚かな行為 魔性の君 悩みの波へ導く どこかで お互いの傷を舐めあう 心は縛れないけど 君を満たすことはできる それは、嫉妬

フィルム写真は原典

カメラを片手に箱根へ 平日の箱根は少し寂し気 でも、それがいい いつも緊張するフィルムをカメラに装着する そのときから緊張は始まっていく。 撮影していても 「しっかりフィルムが送られているか?」 そんな気持ちも一緒に抱えている イメージは・・・イメージするなら 舞台で一人、ピアノの弾き語り。どこにも逃げられない 音色は純粋に響く ごまかしは効かない シャッターの感触シャッターの感触は 感情を揺さぶる どこか、知らぬ世界へ連れ出してくれる 魔法をかけよう3

さよならへの道

いつもより忙しい日々 知り合いもいつもより亡くなった あした世界は終わらないけど どこかで、その気配がする 日曜になると 夜の深さが気になる 今日で終わる世界を感じる ふと思う さよならへの道を歩く僕ら ありふれた世界は いつのまにか遠くに過ぎ去って 戻らない 寂しいのは 二度と会えない人じゃなく 「会えなんだ」と思う瞬間 いつか 会えると思う気持ちを連れてくれば 続きを待てば ありふれた日々を 思い出すことができる 好きなように生きながら 僕らは さよならの道を歩

新しき世界

新しき世界 あのメロディは忘れてしまった 人波が消えた街 願いを忘れて、何を祈る? マスク無しでは歩けない 毎回入れ替わる空気 いくつもの、捨てられた手袋 いつしか 今日に蓋をする 音を忘れ 止まったピアノ 続きを待つ世界 取り戻せるかな あのメロディみたいに 好きだった君と 手をつなぎ重なる時間 明日、世界は終わらない それは新しき世界 New worldI forgot that melodyThe city where the human wave disappe

この街で僕ができること

▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃ 人が生きていくこと 出来ること 限られた中で 僕は君の望むことを何ができるだろう 空をみると無限に見える星 今日は大気に隠れて見えない この先、続くかわからない世界 いつでもそばで君を見ていられるだろうか 流れていく夜をあの夏を見送ることはできるのだろうか そのまま そのまま 変わってしまった世界 君を見て 止まった時間 もう君の涙はいらない 僕のすべてを無くしても 君のぬくもりを守っていこう この街でできること 僕にもあるはず