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警告!この記事を読んではいけない30「地球最後の日、コロナ、人類滅亡」

 「地球最後の日」という映画の、個人的感想を記事にしている途中です。前回の記事では「印象に残った2つの点」のうち、1点目を解説しました。

1点目は「地球を脱出するロケットの形」です。1951年の作品ですが、日本で放映されたのは1960年代前半。この頃のロケットは、皆、同じ形をしていました。そしてそれは第二次大戦中のドイツ軍のV2号ロケットと同じ形、というお話をしました。あれ、とにかくカッコよかったんです!

今日は印象に残った2点目。それは映画の最後で、地球を脱出するロケットの発進シーンです。ロケットは、今の殆どのロケットのように、地上から垂直に発射されるのではなく、山の傾斜を利用して上昇する発進レールの上を滑っていき、レールの尽きる瞬間に斜めに空に飛びあがったのです。

私はこのシーンが強く印象に残りました。飛び上がり方がカッコよかったのです。見たのは子供の頃ですから、画像の細かい点まで記憶しているわけではありませんし、そもそもその頃のテレビ画面て、ブラウン管です。高精細な画像が映せるわけでもありません。

とにかく、そうやって飛び上がるロケットを見たのは、初めてだったと思います。現実世界の通常の宇宙ロケットは、垂直に立っている発射台の傍らから、垂直に飛び上がります。宇宙ロケットの次に大きいロケットは、大陸間弾道ミサイルです。これの多くは地下のサイロから発射されます。

物語の世界でも、サンダーバードの宇宙ロケット、サンダーバード3号は、地下サイロから垂直に発射されます。指揮官ロケットの1号も垂直発射です。ウルトラセブンの宇宙ロケット、ウルトラホーク2号も地下サイロから垂直に発射されます。

時代が少し後ですが、謎の円盤UFOのルナ宇宙艇も月面基地から発進する際は、垂直発射です。とにかく宇宙ロケットというのは、現実世界でもSF世界でも、垂直に発進するものなのです。斜め上に向かうレールを作って、それで滑りあがって発進するロケットなんか、見た事なかったんです!

それに、銀色に光るロケットの姿そのものがカッコよかったです。子供の頃の映画、子供の頃のテレビ、子供の頃の感性ですから、今見たらなんと思うか判りませんが、あの頃の私には、ちゃんと巨大に見えるロケットが銀色に光っている様子は「んん~~ッ!たまらんッ!」状態でした。

傾斜しながら上に向かうレールに乗って、斜めにそれへ飛び上がる。この図、実は「マス・ドライバー」だと思います。「マス・ドライバー」とは、大質量の物体を、地上から宇宙に、あるいは他の天体に向けて投射する装置で、いうなれば、大きなパチンコという風情の装置です。

本来的なマス・ドライバーは、まっすぐなレールに打ち出したい物体を乗せて、何らかの推進力で第一宇宙速度に達するまで加速して打ち出す装置で、動力には主に磁力が想定されていす。いうなれば大きなレールガンです。これは、よりお金をかけずに物体を宇宙に放り出す仕掛けです。

ロケットを使って宇宙に人間なり物資なりを打ち上げるには、非常にお金がかかります。アポロ宇宙船など地球から発射する際には、1秒につき2トンもの燃料を燃やさないと打ちあがらないんです。これではお金がかかりすぎるので、もっと安価に人間や物資を宇宙に出すにはどうしたらいいか。

燃料を使わず、大きなレールを作って磁力で滑らせて打ち出すんです。これなら、燃料を使わずに済みます。打ち出しに必要な磁力を得るためには大電力が必要ですが、燃料代よりは安かろう、という考えです。磁力でレールに沿って打ち出すというのは、正しくレールガンです。

ただいくらレールガンでも、地球のような重力の大きい星から第一宇宙速度を得るのは大変です。だから、レールガンタイプのマスドライバーが本領を発揮するのは、主に月のような、重力の小さな星から宇宙に向かって物資を打ち出す場合です。

レールガンは実在します。発射実験の映像、スマホで見ることができます。まだ小型化はできないみたいですが、マスドライバーとして使用するなら、小型化は必要ありません。ここで「地球最後の日」に戻りますが、あの発進装置、確かにマスドライバーに見えました。

が、マスドライバーというよりは、カタパルト、といった方がよいかもしれません。カタパルトは、最も知られているのは、空母から艦載機が発進する時に使用される装置です。昔はスチームカタパルトが主流でしたが、最近は磁力で打ち出すものもあるらしいです。

これも、艦載機の燃料を消費させないために、発進の際には、空母側の動力で、艦載機を空中に打ち出すんです。アメリカの原子力空母なんか、発進用カタパルトが4つもついてます。マスドライバーの本来的な形は、まっすぐなレールなんですが、最近では、空に向かって湾曲しているものも、マスドライバーと言うらしいです。

さらに、打ち出される物体自体に動力があり、自分で噴射して加速していく場合も、カタパルトぢゃなくてマスドライバーと言うらしいです。ていうか、21世紀になって、なんだかカタパルトとマスドライバーの区別があいまいになってきている感はあります。

余談ですが、日本のアニメ、ガンダムシードで、オーブ首長国連邦という国が、マスドライバーを持ってて、地球連合軍がそれが欲しくてオーブに侵攻するんですが、オーブの王様が立派な人で「我が国のマスドライバーを戦争に利用させない」と言って、

自分の娘を宇宙船に載せて、マスドライバーで宇宙に脱出させ、自分はマスドライバーを爆破させるために地球に残って自爆スイッチを押す。娘、つまり王女様は、宇宙船で飛び上がりながら、父の名を叫ぶ、というシーンがありました。

あそこで描かれていたマスドライバーも、斜めに湾曲したレール上を、発進ブースターを噴射しながらレールを駆け上る、というタイプでした。あのシーンで流れていたBGM「暁の車」は、ガンダムシード屈指の名曲だと思います。うちのバンドでもやりました。あの生ギター、難しかったです。

ともあれ「地球最後の日」のロケット発進シーンは、非常にカッコよかったです。ロケットの発射装置が「マス・ドライバー」に見えたという事です。そもそもマスドライバーって、存在自体がカッコイイんですよね!

そのロケットに乗って脱出した数十名の若い男女は、無事に惑星ザイラに到着し、結構綺麗な星で、そのシーンで映画は終わります。この映画についてあとから不満を言う人がいたみたいです。何が不満かというと脱出して救われた数十名が、全員白人だったのが気に入らなかったみたいです。

私はその点については大きな疑問は持ちませんでした。助かった人々が白人かどうかなんて、私にはどうでもいいことでした。しかし、助かった人数が数十人だけ、という数の少なさについては、やや疑問を持ちました。いくら何でももう少し多くないと、ノアの箱舟にならないんぢゃないか、とは思いました。

私がおおいに疑問を持った点は別にあって、最後の段階で惑星ベラスと衝突して消滅した地球の様子が、少なくとも私の記憶にはありません。何らかの表現がされていたのでしょうか。私の記憶では、そういう絵はなかったように思います。

悲劇的最後を遂げた地球の様子こそ、たくさんたくさん絵にして欲しかったのです。だって映画のタイトルが「地球最後の日」ぢゃないですか! 地球最後の様子を、もっと描いて欲しかったです。が、その部分は描かれなかったみたいです。

そして、白人の若い男女数十人だけが助かる、という映画の終わり方に対する不満は、妖星ゴラスの中に描かれているそうです。妖星ゴラスは、人類が英知を結集して、地球自体が破壊される事なく、やってくる妖星ゴラスをも破壊することなく、地球人類も、ほぼ全員が助かる、という設定でした。

SFの世界では、このように地球が破滅する危機に陥る、というモチーフは結構描かれています。そして多くの場合、モチーフは目に見える判りやすい危機です。現実世界ではどうでしょうか。今、世界を席巻しているコロナという病原菌。これは目に見えません。

そして、少し収まったかな、と思うとまた感染爆発し、また少し収まったかな、と思うと、また感染爆発します。少し収まると人類は安心しちゃって、対応策を怠り、また感染爆発を繰り返す、というパターンです。人類の忍耐が足りないのか、コロナの性質が悪いのか、その両方なのか。

コロナはどこまで人類を脅かすのでしょうか。なんか、ちょっと殺しては引っ込み、またちょっと殺しては引っ込み、というふうに、少しずつ少しづつ殺していく、非常に性質の悪い殺し屋のように見えます。ちなみに収まる気配は見えていません。専門家も、年末に第6波が来るとか言ってます。

今日はここまでにします。次回は、少しコロナから離れます。

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