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旅客機の自動制御

ボーイング 737MAX の問題。ついにメーカーが認めたのですが、ちょっと気になったのは設計方針。昔、エアバス社とボーイング社の間で、自動制御の考え方は違っていました。

A社は「旅客機の部品の中で、あてにならないのはパイロット」という欧州風の合理的な考えのもと、パイロットと自動制御がぶつかった場合は、明確にパイロットが自動制御をOFFにしない限り、自動制御を勝手には切らない。
一方B社は大昔から軍用機も作っており「パイロットが主体で、機械はそれをサポートする」という考え方で、自動制御はパイロットが相反する操作をすれば、自動にキャンセルされる仕組みです。

しかし、今回の 737MAXのMCASは、失速回避機能という自動制御の中ではちょっとした補助機能なのに、パイロットが機首を上げようとしてもキャンセルされなかった様です。これがA社の話なら分かるのですが、B社なんですよね。やはり、こういう根本的な考え方も変化している様ですが、それ故B社のエンジニアはそういう経験が少なかったのかな?と思ったり。

また、MCASが統合的に動作せず、結局墜落に至っているというのも、拙い話ですよね。パイロットを信用するなら任せるべきだし、信用しないならせめて燃料がある間は墜落しない様に機械の方が何とかすべきです。単に迎角センサーが故障しただけで、対気速度/高度などの総合的な情報を無視してMCASが優先されて機首を下げるというのも、ソフトの出来が悪すぎるように思います。

色々痛い目に合いながら、安全は向上するのでしょうが、今回の話はちょっとレベルが低いような気もします。取って付けたようなソフトの改修(例えば仰角をGPSからも算出し、誤差が大きければ故障としてMCASの制御を中止する)ではなく、根本的な見直し(機械を信用すれば、とりあえず墜落はしない制御)がされることを望みます。

今の所、二重化(してなかったの?)、リセット(考えてなかったの?)、パイロット優先(設計コンセプトはどうなる?)という感じです。
http://www.jwing.net/news/11235
緊急修正は良いとして、恒久対策には期待したいですが...

その後、このコードを書いたのが新人の時給10ドルの人だったとか、ひどい話が出ています。滅多に飛行機に乗らない私ですが、正直ボーイングに乗るのが怖くなってきた...





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