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「おもしろそうですね」

思えば5年前のこと。
2016年、東京・渋谷にあるボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE」で
アナログゲームを作るラボが開催されました。

当時の私は、自分の人生を完全に見失っていて(今は見守っています)、
うまく思考が働かず、身体も動かず、会社に行けない日も増えてしまい、
上司からの勧めで精神科通院を開始してから2年近く経っていました。
病院では、「うつ」「適応障害」と診断されていましたが、
投薬量が増えるばかりで気が立ってきて、状況は悪くなる一方でした。

先が見えない真っ暗闇のなか、
「何か気晴らしになることをしよう」と探していて見つけたのが、
このラボでした。
「これだ」と思い、直観的に申し込んだのを今でも覚えています。
百円ショップで材料を購入しては、家に籠って何か作ってみる。
ラボの日に持っていって、他の参加者と見せ合う。
・・・そんな日々が続いていました。
その頃の私にとって、没頭できる時間があることは大きな救いでした。

ある日、クリエイターで講師のしんどうこうすけさんが、
日本棋院の林(りん)さんをゲストとして連れてきてくださいました。
もともと囲碁が好きだった私は(下手の横好きですが)、
ラボのなかで試作を進めていたゲームとは別に、
個人的に思い付いていた立体囲碁のイメージを、林さんに伝えてみました。
ラボの終わり間際、ほんの1~2分だった気がします。
まだ、まともな試作品も模型すら出来ていないのに、林さんは
「おもしろそうですね」
と言ってくださいました。

2016年末、私は本格的に調子を崩して休職し、
2017年初~2月にかけて入院後、精神保健福祉センターに通所しながら
長いリハビリ生活が始まりました。
(センター長である管理医からの指摘で、のちに私がADHDだったと判明しました。)

リハビリ生活中に得た経験、友人からは、多くの大切なことを学びました。
ある時、ふと思い出して、
ボードゲーム好きの新しい友人に、立体囲碁の話をしてみたところ、
「おもしろそうですね」
と言われ、
もともと木工が好きで得意なその友人が手伝ってくれると言うので、
実際に作ってみることになりました。
ちょうど2年前くらいのことです。

ずっと亀のような歩みでした。
その後も、応援やアドバイスしてくださるかたが現れ、
多くのかたからの後押しと
「おもしろそうですね」
に導かれながら、
ついに先日、日本棋院内での立体囲碁(試作品)のテストプレイが実現。
林さんと鶴山さん、2名のプロ棋士による対戦の様子を
動画配信して頂けることになりました。
使用している碁石は、NHKの解説でもよく見る磁石のものを現地でお借りしました。
奇跡的にピッタリサイズで驚きました(笑)。

撮影して頂いたのは夏でしたが、
(私の度重なる体調不良等もあり)紆余曲折を経て、
本日10月2日、YouTubeつるりんチャンネルにて公開されました。
サムネイル画像は、つるりんチャンネルの編集のかたから許可を得て
使用させて頂きました。
もし、このサムネイル画像を見て
「おもしろそう!」
と思って頂けたら、是非、公開された動画(【体験版】時代は3Dへ!立体で楽しむ新ゲームで遊んでみた)を観てみてください。
林さんも鶴山さんも、とても気さくで素敵なかたです。
気に入ったらチャンネル登録もお願いいたします。

みなさまからの
「おもしろそうですね」
の力によって、私も少しずつ自信を取り戻してくることができました。
ありがとうございます。
これからも、囲碁文化の振興にも少しでも貢献できれば幸いです。

最後になりましたが、
ご厚意で私の意向に沿って動画編集をしてくださった、
つるりんチャンネル編集のスタッフのかたに心から御礼申し上げます。

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