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「顔の見える野菜」の欺瞞

スーパーマーケットで、
「顔の見える野菜」
という商品をよく見かけるようになった。
商品パッケージには生産者の氏名が印刷されていて、
生産者の顔(似顔絵)なんかも印刷されている。

でも、これ、おかしいと思いませんか?
初めて見た時から、どうも違和感があって仕方がなかった。
生産者の個人氏名が店頭で前面に出されて“売り”にされていることとか、
知らない人が作ったものを「顔が見えると思え」と強制されている感じ。
どう考えても売る側(スーパーマーケット)都合のネーミングであって、
心の底から顔の見える野菜だとは思えない。
そんな違和感。

それでも、なんとなく他の野菜よりはマシな印象があるから、
ついつい買っちゃったり・・・。変な気分になりながら。

そう、結局のところ、売り手都合の印象操作ですよね、これ?
しかも、生産者の氏名を前面に出しているのが、
生産者に対しても無言の圧力を加えている感じがして不愉快。
そもそも、顔が見える野菜なんて、
スーパーマーケットで買えるはずがなかった。
中間卸売業者を通して商品として買っている時点で、
既に、購入者にとっては「生産者の顔は見えない」んだから。

百歩譲って、もしかすると、
中間卸売業者からは「生産者の顔は見えている」のかもしれない。
でも、購入者が「中間卸売業者の顔が見えている」のでなければ、
そのことに、いったい何の意味があるのでしょう・・・?

「顔の見える野菜」は、スーパーマーケットでは買えません。
生産者と自分で直接繋がって、いや、できれば自分が生産してこそ、
初めて本当の意味で「顔の見える野菜」と出逢えるんです。
ネーミングに簡単に騙されてはいけない。
自分自身のためにも、世の中のためにも。

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