風のように旅をする vol.2
仕事が終わり家に帰る。
少し身体を休めようとした23時。
眠りが浅かったのか0時過ぎに目覚める。
「(目的地到着には7時間弱かかり)11時に着きたいから4時まで寝よう」と目を瞑る。
雨音が心地良い。
心地良くて寝過ぎた。
さて、行くか。
車に荷物を詰め込み、車を走らせた。
下道で行っては間に合わない。
追分町ICをまず目指した。
Indecision is often worse than wrong action.
高速道路には当然の如く分岐がある。
どちらにも進むことはできず、どちらかを選ぶしかない。
どちらを選ぶかの決め手は、選択の先に何を望むか。
「どっちでも良い」というのはない。
今回も当たり前のように分岐を前にした。
「行き先」は決まっている。どちらを選ぶかは、悩む余地すら無い。
しかし、最近の仕事の様相からなのか、自分の思考や振る舞いを振り返るという行為が生まれた。
どんな内容だったか。
自分よりも若い人を引っ張るシーンも。
自分よりも歳上の人に意思を通さないといけないシーンも増えた。
そんなときは
Indecision is often worse than wrong action.
決断しないことは、ときとして間違った行動よりたちが悪い。
という言葉を大切にしている。
ということを。
小さい頃からの話しで、「自分がどうしたいかは自分しか分からない。自分で判断して決断をしてください」という教育下のもと育ってきた。
そんなこともあって、人に判断を委ねるというよりも、自分で判断を下していくというシチュエーションの方が圧倒的に多いからしっくりくる言葉でもあって、いろいろな場面で支えられている。
まぁ、これと言って決める感じの話でも無い。
旅の途中、ふと頭をよぎった程度の話しである。
きっと今回の旅は、いろいろ考えることになる旅だろう。
夜中から降っている雨は、車を走らせていてもまだ止まない。
しかし、少しずつ明るくなってきている。
さぁ。
最期の旅の始まりだ。なんかそんな気がする。
(走り出して早々の由仁PAにて)
晴れた。達した。
高速を降りる少し前くらいから、天候の回復が見られてきた。
雨降りでも、曇り空でも。
ドライブは楽しいものだけど、青空が少しでも見れるとより楽しい。
日差しもなんだか元気だ。
2021年になって最初の20度台を体感する。
だけどまだ風はひんやりする。
なんとも北海道の春らしい。
車を走らせて300kmほど来た。
目的地まであと少し。
いつもの如く、知床半島へ。
気が付けば「道東へ」。
そんな感じで休日を過ごしていますが、ちゃんと目的があって訪れています。
知床と言う名前はとても有名ではありますが、実際に知床という名称を持つ住所は無く、あくまでも半島の名称であるのです。
さて、今回はまず知床半島を形成する羅臼町へまず入った。
1泊2日の今回の旅。
初日の目的地は斜里町ウトロであり、羅臼町ではないのです。
ならばなぜ?
ここで、友人との待ち合わせをしていたから。
数日前のこと。
ウトロで環境保全の取り組みを主体となって行っている仲間がいて。
それを知ってる友人から「今回まこさん参加するの?」というLINEが入ったのです。
彼は「行こうと思っているが悩んでいる」とのことだったが、小林自身は元々行く予定でいたので「行くか?」と一緒に行こうと誘った。。
そういうこともあり、まずは羅臼町に寄ったというわけなのだ。
羅臼町という地は、北海道に住んでいても「遠くて訪れたことがない」という人が多いエリア。
そんなエリアに年内2-30回足を運んでいるので、そんな遠い場所と思ったことがない。
基本こっち(道東)へ来るときは、自分が運転している。
助手席に乗るということはほとんど無い。
しかし、今回は羅臼町で合流した友人の車一台で向かう。
初の助手席「知床横断道路」である。
なんかそれだけでもワクワクした。
だけど、この先に待っている取り組みに友人と行けるという嬉しさもあった。
今回一緒に行った友人との出会いが、環境保全がきっかけだったということもあってより嬉しく感じていた。
道中は近況報告。
と言っても、2.3週間前にも会っているからさほど変わった話しはない。
だけど、今回で3回目の環境保全の取り組みだったが、2回目から参加しており、その時の様子などを話していった。
峠に登って行くと、雲に頭を隠された羅臼岳が目に入ってくる。
やっぱり好きだなぁ。この景色。
知床半島が世界自然遺産に登録されたのは、生物の多様性が評価されてと、知床に関する書籍を出している知人から、よく聞いていた。
良い海には良い山が不可欠。
良い山になるためには、土壌が健康であることはもちろん、適度な湿度が保たれる場所でなければならない。
そんなこともあって、知床横断道路開通初日の際に受けたインタビューではこう話した。
「雲に包まれた景色」というのも、私からするとThe知床を感じるものというわけなのだ。
ゴミとヒト。ゴミとクマ。ヒトとクマ。
今回のウトロへ向かったのは、既述のとおり環境保全の取り組みに参加するため。
人が出したゴミを回収するというもの。
つまり、ゴミ拾いだ。
観光地でなくてもゴミは多いが、観光地はより一層ゴミが目立つことがある。
ウトロでのゴミ問題。
単なる景観に与える影響ということだけではない。
もちろん、ウトロに限った話ではないが、人間が捨てたゴミで野生動物を誘引してしまっているということ。
知床という地は、世界的に見てもクマが濃く生息している。
だからこそ、ヒトが捨てたゴミとヒグマがリンクしてしまうことがある。
そんなゴミでも今回は漁具を中心としたゴミ収集。
町内外から80名弱が集まった。
この取り組みの主催の1人が、友人であるということは誇りに思う。
誇りに思うだけでなく「アクションにつなげたい」という気にさせるほどの熱量と信念を持っている。
友人の同僚に、漁師さん。
地域の人に、知床の地でガイドをする人。
そこに、取り組みに共感した他地域の人たち。
しっかり、コロナ対策(連絡先の明記や体調確認など)がなされてスタートした。
私は合流した友人と一緒に幌別川という川の近くのゴミを拾った。
流されて来た出たろう、外国からのプラスチックゴミ。
漁具の破片。
これらは、野生動物が口にする(食べる)ということはなく、野生動物の誘引となるリスクは低いであろう。
とは言え、海洋ゴミとなり得るもの。
手分けして集めた。
気になったのは橋の下だ。
コーヒーの缶やジュースのペットボトルがやたら転がっている。
見た訳では無いが、走行中に投げ捨てたりしたものも多いのではなかろうかと思う。
これらは危険だ。
ヒトの味を野生動物が知ってしまう。
そうすると、その味を求めまちに姿を表すかもしれない。
いや、そうとされる事例はこれまでに多々ある。
クマの存在を気にしつつ、拾い集めていった。