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タルムード・ユダヤ教関連資料

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ラビ=ユダヤ教の聖典であるタルムードは、AD 2c末までに口伝律法を成文化した「ミシュナ」と、それにAD 6cまでに解説を加えた「ゲマラ」から成る。 神殿崩壊後のラビ・ユダヤ教…
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記事一覧

『ユダヤ古代誌』 第10巻 第10章 大祭司たちの数 (ヨセフス)

http://www.sacred-texts.com/jud/josephus/ant-20.htm

1節

さて、我らの大祭司たちたちについての報告を為すことが適切でありこの史書に適ったものであると私は考える。彼らがどのように始まったのか、その尊厳を保持できる者たちは誰なのか、そして彼らのうちかの戦争の終わりにどれだけ多くの者たちがいたかについてである。それゆえまずは、歴史は以下を我々に知ら

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『ナザレ人福音書』 断片

より。英語訳からの重訳。

正典に収められず失われた福音書型文書がいくつか存在する。その一つに、紀元2世紀から4世紀までの頃、主にシリア・パレスチナやエジプトの、ユダヤ人を多く含むキリスト教セクトにおいて重視されていた福音書(Jewish-Christian Gospel(s))があり、教会教父らの著作に断片的な引用が残っている。教父たちは明確な分類をしていないが、現代はこのユダヤ人の福音書を以下

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『ヘブライ人福音書』断片

:::::以下訳文:::::

ヘブライ人の福音書のうちにはこう書かれている。
「キリストが地に臨んで人々のところに来たいと望んだ時、善き父は天における力強い権能を呼び出した。それはミカエルと呼ばれた。そして[父は]その保護のもとにキリストを託した。そしてその権能は世界のうちに来て、マリアと呼ばれた。そしてキリストは彼女の胎内に七ヶ月あった。」
(エルサレムのキュリロス Discourse on

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『エビオン派福音書』断片

より。英語訳からの重訳。

紀元2世紀から4世紀ころまで教父たちが言及しているパレスチナの派閥であるエビオン派は、独自の福音書を持っていたと言われ、サラミスのエピファニオスによって数節の引用が残されている。

エビオン派は菜食主義であったため、洗礼者ヨハネがいなごを食べていたという記述を改変したとされる。

また、処女懐胎を否定するため、該当箇所が無く、洗礼者ヨハネの活動から始まっている。

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『Abodah Zarah』17a(バビロニアン・タルムード)

[ラッビ・アキヴァの発言]…[ラッビ・エゼキエルよ、ひょっとして[かの]異端(מינות…キリスト教を指す。[cf. 使徒 24:5])があなたの面前に来て]、あなたはそれに好感を持ったので、それが理由であなたは責任がある[と見なされ逮捕された]のではないか。[ラッビ・エゼキエル]は以下のように言った。…アキヴァよ、あなたは私に以下のことを思い起こさせた。かつて私がツィッポリの高い市場を歩いていた

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『ユダヤ古代誌』第4巻 第7章 へブル人たちがミディアン人たちと戦い、彼らに打ち勝った次第

第7章 へブル人たちがミディアン人たちと戦い、彼らに打ち勝った次第



さてモーセは先述した諸々の理由のためにミディアンの地に対して軍を送った。全てで一万二千[人]であり、あらゆる部族から等しい数を取り、ピネハスをその指揮者に任命した。このピネハスについて我々は、へブル人たちの諸々の律法を守護し、それらを逸脱したときジムリに刑罰を科した者として少し前に言及した。さてミディアン人たちは前もって、

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『Abodah Zarah』16b(バビロニア・タルムード)

そしてこれはラビ・イェフダ[の「傷のある大きな家畜を異邦人へ売ることは許可されている」という意見]と合致する。ラヴ・アシは言う。「普通の獅子は労働することの観点においては傷がある[つまり労働の役に立たない]。」

[これには以下のような]反論が起こる。大きな家畜を[異邦人たちに]売ることができないように、彼らに大きな獣たちを売ることもできない。そして小さな家畜を売る場所においてでも、大きな獣たちを

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『Gittin 56a』(バビロニア・タルムード)

[※訳注:ここでは、人違いで誤って祝宴に招待されてしまったバル・カムツァが主人に追い出されようとしている。][主人は]彼に言った。「いや。」[バル・カムツァは]彼に言った。「この祝宴の半分の代金を払おう。[だから追い出さないでほしい。]」[主人は]彼に言った。「いや。」[バル・カムツァは]彼に言った。「この祝宴全ての代金を払おう。」[主人は]彼に言った。「いや。」そして彼を手で取って立たせ、外に出

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『Ta'anit 20a』(バビロニア・タルムード)

[訳注:干ばつに際して貧者に水を分配するために貯水池を借りたニコデモが、その返済を迫られている。]「それで今雨が降るというのか?」そして彼は喜んで浴場に入った。その主人が喜んで浴場に入ると、ナクディモン[ニコデモ]は悲しんで神殿に入った。彼は自分を[肩掛けで]覆って、祈りに立った。

彼は[神の]前に言った。「宇宙の主君よ、あなたの前に以下のことは明らかになっており、知られている。私は自分自身の名

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『Sanhedrin 43a』(バビロニア・タルムード)

「そしてイスラエルの子らは主がモーセに命じた通りに為した。」[レビ記 24:23]

そうであるとすれば、[既に石打ちにすることはわかっているのに、重ねて]「石によって彼を石打ちにする」[と述べること]は何をする[ことを示した]のか。その[一文]は必要なものである。こう教えられていることのためである。「そして彼らは石によって彼を石打ちにした」の「彼を」は、彼が服を着ない[裸な状態にされて石打ちにさ

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『Megillah 6a』(バビロニア・タルムード)

それは私の[考え]に合致する。ハマテ[חמת]はティベリアスである。なぜハマテと呼ばれたのか。それはティベリアスの温泉[חמי ハメイ]のためである。ラッカテ[רקת]はツィッポリ[ציפורי]である。なぜラッカテと呼ばれたのか。それは川の堤防[רקתא ラクタ]のように隆起していたためである。キネレテ[כינרת]はギノサル[גינוסר, ゲネサレ]である。なぜキネレテと呼ばれたのか。そこの

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『Yoma 12b』(バビロニア・タルムード)

[※訳注:ここでは、大祭司の職権がいつから正式なものになるかについて論じている。]彼の奉仕[自体]が彼の[職権を]起動させる。モーセの造った全ての祭具は、その油注ぎがそれら[の祭具]を聖別したと教えられたではないか。それから後では、[諸々の祭具]の奉仕[自体]がそれらの[役目を]起動させる。ここで、[大祭司について]も、彼の奉仕[自体]が彼の[職権]を起動させる。

ラヴ・ディミが[バビロンに]来

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『Megillah 23b』(バビロニア・タルムード)

[それゆえ]その必要もない。[訳注:ここでは律法の後に読まれる預言書朗読(ハフタラ)の節数の最低数が話題となっている。]

ラヴァはこれに強く反対する。「しかし「あなたがたの燔祭を加えよ」(エレミヤ7:21-28)[から始まるハフタラ]については、二十一節に満たないが、それを我々は読む。」 そこでは話題が完了しているので、難しい。

しかし話題が完了していないところはそうではないのだろうか。ラヴ・

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