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アリウス派に関連する諸文書

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アリウスおよびアリウス派の思想は一様ではない。 ニケーア公会議(AD 325)から第1コンスタンティノポリス公会議(AD 381)までローマ皇帝家と近い関係を保ってコンスタンティ… もっと読む
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ホモイオス信条(AD 360)

http://www.fourthcentury.com/index.php/the-homoian-creed/

より。英訳からの重訳。

コンスタンティノポリス教会会議(AD 360、全地公会議(AD381など)とは異なる)で採択。「ホモイオス(≒相似である)」信条と呼ばれる。

[]内は邦訳者の注あるいは補足。

:::::以下訳文:::::

我らは一なる神、彼によって万物が在るところの

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ウルフィラの信条

https://en.wikipedia.org/wiki/Ulfilas

より。英訳よりの重訳。

ウルフィラはAD 340頃に叙階されゴート族に布教したアリウス派宣教師である。

:::::以下訳文:::::

私、ウルフィラ、司教にして告白者は、いつもこのように信じてきた。そしてこの一なる真実の信仰において、私は私の主へと至る旅をしている。

私は信ずる。一なる神、御父、唯一生まれぬ、

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第九セレウキア信条(AD 358)

http://www.fourthcentury.com/index.php/the-ninth-confession-of-seleucia/

より。英訳からの重訳。

コンスタンティウス2世により召集されたセレウキア教会会議(AD 358、ペルシアでなく小アジアの都市セレウキア)で採択。「ホモイオス≒相似である」派の影響が強いと思われる。

[]内は邦訳者の注あるいは補足。

:::::以下

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第三アンティオケア信条(AD 341)

http://www.fourthcentury.com/index.php/third-creed-of-antioch/
より。英訳からの重訳。

[]内は邦訳者の注。

:::::以下訳文:::::

わたしがわたしの魂をかけて証言者に呼ぶところの神は、わたしが以下を信ずることを知っている。
すなわち、全能の御父なる神、宇宙の創造者であり造り主である方、万物がこの方によって存在するところの方

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第二アンティオケア信条(AD 341)

http://www.fourthcentury.com/index.php/second-creed-of-antioch/

より。英訳からの重訳。

アンティオケア教会会議(AD 341)で採択。「本質において相同(ホモウシオス)」の言葉を使わずに、ニケーア派寄りの信条を告白したものと言える。

[]内は邦訳者の注あるいは補足

:::::以下訳文:::::

我らは、福音的また使徒的伝統に

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第一アンティオケア信条(AD 341)

http://www.fourthcentury.com/index.php/first-creed-of-antioch/

より。英訳からの重訳。

アンティオケア教会会議(AD 341)で採択。「本質において相同(ホモウシオス)」の言葉を使わずに、ニケーア派寄りの信条を告白したものと言える。

[]内は邦訳者の注あるいは補足

:::::以下訳文:::::

我らはアリウスの追従者で

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アリウスからコンスタンティヌス帝への書簡(AD 327)

http://www.fourthcentury.com/index.php/urkunde-30

より。英訳からの重訳。

:::::以下訳文:::::

長老アレイオスとエウゾイオスより、我らの最も敬虔な皇帝、神に最も愛されしコンスタンティヌスへ。

我々は唯一の神、全能なる御父を信ず。

またその御子、主イエス・キリスト、すなわち御父によって全ての時代に先立って設けられ、それによって

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アンティオケア教会会議の書簡(AD 325)

http://www.fourthcentury.com/index.php/urkunde-18

より。英訳からの重訳。

第一ニケーア公会議(AD 325)に先立つアンティオケア教会会議(AD 325)の存在は、関連文書がギリシア語原文では失われており、1905年にシリア語の写本が発表されるまで忘れ去られていた。

:::::以下訳文:::::

(アンティオケアにおいて集結した教会会議によ

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ニコメディアのエウセビオスによるアリウスへの書簡の断片

http://www.fourthcentury.com/index.php/urkunde-2

あなたが適切に考えているので、みながそのように考えるよう祈っている。全ての者にとって、造られし者は、それが存在するようになる前は存在しなかったということは、明らかである。存在するようになった者は、その存在について始まりを持つのである。

アリウスによるニコメディアのエウセビオスへの書簡(AD 318)

http://www.fourthcentury.com/index.php/urkunde-1

より。英訳からの重訳。

:::::以下訳文:::::

(1)
最も愛されし神の人、信仰深く正統であるエウセビオスへ、不当にも師父アレクサンデルにより、全ての勝ち取られた真理のゆえに迫害されているアリウスより。この[真理は]あなた、エウセビオスも守っているものである。

(2)
私の師父Ammon

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Thalia (アリウスのイエス観)

http://www.fourthcentury.com/index.php/arius-thalia-greek

より。英訳からの重訳。

アリウス自身の神学が表れているThaliaは断片でのみ残り、アタナシオスの「アルミヌムとセレウキアの教会会議について」の中での引用が最も長い。

:::::以下訳文:::::

(1)

… それで神自身は、彼がそうであるように、全ての者にとって表現され得

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