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ひきうける

誰も傷つけたくないと
君が残した米の一粒を
僕は指先で捉えては
しずかに口へ運ぶ
それは甘い鉛のような質量で
それは連続する一年のようで
胃袋の奥に真夏の雪が散り積もる
永遠に満ち足りることもなく
君の孤独が 君の痛みが
何度も何度も
蜻蛉の僕を
喉元まで埋め尽くす

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