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【和風声劇】【朗読】あの夏から一年〜夏の妖 後日談〜

☆所要時間:2分
☆人数 :1人用


和太鼓の振動が
胸に響いた

篠笛(しのぶえ)の音(ね)が
頭に響いた

思い出を震わすように
遠く聞こえる祭囃子(まつりばやし)


あの日から
目を向けることができなかった社(やしろ)

どんなに泣いても
あの人は帰ってこないと思い知らされるから


眩しい夜店

賑(にぎ)わいは

ガラス一枚挟んだ映像のよう


金魚すくい

射的

花火

どの瞬間にも 隣に居たんだ

ワタシはまだ 覚えているよ

アナタの 笑い声を

アナタの 手のあたたかさを



陽炎になんて ならないで

風になんて ならないで

そう涙した日があったことは嘘じゃない


けれど

見えなくても

触れられなくても

アナタはワタシを見守ってくれているのだと

アナタがそうしたいと

アナタの願いを告げてくれたから


ワタシはこの命を

精一杯 全(まっと)う しよう

アナタにもう一度会えた時

恥じぬように


そして

真っ直ぐアナタを見つめて伝えよう

今度こそ

アナタと共に生きたいと

End


〜マコのひとりごと〜

約1年前に書いた「夏の妖」という台本の後日談です。
前回は妖視点でしたが、今回は人間視点での語りです。

世界観の共有のご参考に前日譚「夏の妖」⬇

https://note.com/makodaihon/n/n08ccf1af7da8

この話を書くきっかけになった素晴らしいサウンドを聴きながら、”’一年をかけて前を向き、少しだけ歩み始めたその人”を書
くことができました。

こちらがBGM付きの台本⬇
「残酷な天使のテーゼ和風ver.」
切なくて、優しくて、ノスタルジックな素晴らしいサウンドです!

いつか、サシ劇としてもこの夏のお話を書けたらいいなぁと思いながら
もう既に暦の上では秋となってしまいました。

また、来年の夏になるのかなぁ…


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