【洋画風2人声劇】【男1女1】ボクはキミのメインディッシュになりたいけど、キミはボクをデザートという。
☆所要時間:5〜7分
☆人数 :2人用(男性1女性1)
※作中に出てくるカクテル言葉の意味
ブルームーン→できない相談、叶わぬ恋
マンハッタン→切ない恋心
マミーテイラー→いつもあなたと
カクテル言葉には複数意味がありますが、今回は上記の意図を持って使用しています。
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~とあるBARにて~
女:あなたはいつもそう
女:私が言っているのは、そういうところよ。
男:そういうところって?
女:叶える気のない夢を語るのはやめてくれる?
男:夢を語りたがるのは男のサガだよ
男:君は、無口な男が好きなのかい?
男:それとも、夢を見ない男?
女:あら、アナタは何も知らないのね
女:女にだって、夢の1つや2つはあるものよ
女:ただ、それを簡単には語ろうとしないだけ
男:じゃぁ、キミの夢の中に、ボクはいるのかい?
女:語ろうとしないって言ったでしょ?
女:そういう甘い話は好きじゃないの
女:私は少しばかり、アナタより現実的に出来ているのよ
女:女って、みんなそうなの
男:男だって現実的さ
女:あら、そうなの?
男:あぁ、例えば
「ボクの日常にはキミがいる。」
これは現実だろ?
女:確かに。それは、バーチャルではないわね
女:でも、少し違っているわ
男:何が違ってるって言うんだい?
女:アナタの日常生活の中に、私はいない。
男:そんな事はないさ
女:本当?
男:あぁ、本当さ
男:目が覚めたらキミの事を考えるし、寝る前だってキミの事を考えてる
女:そう
男:実際、こうして仕事終わりにキミと会って、会話もしてる
女:そうね
男:これって充分、キミはボクの日常の一部だと言えると思うんだけど?
女:…甘い囁きを有難う。
女:アナタの頭の中にワタシの居場所があって嬉しいわ
男:それはよかった
女:だけど、少し違うかな
男:どこが?
女:時間よ
男:時間?
女:ええ。アナタとの時間は当たり前じゃないの
女:ワタシにとっては特別で、非日常なのよ 女:そう、まるで、甘くて、魅惑的で、背徳感のあるデザートみたいな
男:デザートか・・・
男:いいね、味見してみて
(女を抱き寄せようとするも、軽やかにかわされる。)
女:そういうところ!
男:え?
女:ワタシはスリルが欲しいんじゃないのよ
男:じゃあ、ボクはどうしたらデザートじゃなくて、キミのメインディッシュになれるんだい?
女:無理よ
女:アナタはディナー専門でしょう?
男:と、いうと?
女:朝におはようのキスが出来ないアナタとの関係は、甘くてほろ苦過ぎるのよ
女:メインディッシュになんてしたら、体に毒ってこと
男:・・・寂しかったのかい
女:なによ。今更、優しくなんて、しないでちょうだい
男:ごめん
女:・・・
男:でも、この時間は、キミだけのものだから
女:・・・
男:今夜はボクだけの人になってくれないか?
女:そうね・・・
女:もう一杯だけ飲んで、今夜は帰るわ
女:マスター、「ブルームーン」をお願い
男:・・・どうしてもかい?
女:どうしてもよ
男:はぁ・・・
男:分かった、今夜は引き下がろう
男:マスター、「マンハッタン」を頼むよ
女:(小声で)同じウィスキーのカクテルなら 「マミーテイラー」を頼んでくれたら、なんて。
男:え?今なんて?
女:あぁーあ。やっぱりワタシたちは、平行線ね
男:え? どうして?
女:そういうところ!
END
〜マコのひとりごと〜
リアリストの女性と、ロマンチストの男性の会話劇を洋画風に描きたくて、BARのシーンにしました。
「叶える気のない夢を語るのはやめてくれる?」
と、女性に文句を言わせたかった所から書き始めました。
「やっぱりワタシたちは、平行線ね」
というセリフが、個人的には洋画っぽい!と思っています( ˙꒳˙ )
私は、お酒と、お酒の場が好きです。
会社の強制的な飲み会は別として。
仲のいい同僚たちと、仕事後にお酒を片手に、笑ったり真面目に話したりして、その日働いた分を、その日に消化してしまうそんな時間も好きでした🍷
因みに、ビールは苦くて飲めません。
「とりあえず生」が憧れです_(:3」z)_