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野草 死を知って生を咀嚼する?

横浜トリエンナーレ2024へ行ってきた。

重い…くらい…疲れた…
そんな印象の展示だった。

が、同時にそれは今の世の中を表しているのだろう、とも思った。
今回のテーマは
「野草:今ここで生きてる」
魯迅の作品『野草』から着想を得て、アーティスティックディレクターがキュレーションを行った。

横浜美術館のオープンなスペースに貼られている
今回のテーマの解説

見に行った順番は、
①横浜美術館
②BankART KAIKO
③旧第一銀行横浜支店

正直、春休みシーズンにも重なるし、横浜美術館のリニューアルオープンの最初の展示というにはあまりに暗いテーマだった

横浜美術館を見にきていた親子の言っていた
「なんかアートって昔より難しくなっているよね、なんか怖い感じだし」
という言葉が印象的。

展示室の上部には強いメッセージが。
たしかに、その解釈は難しい

たしかに、今回の作品はその背景となる文学作品や、政治的・時代背景を知っていてこそより楽しめるものも多かったように思う

ただ、その難しい感じ、怖い感じ、嫌な感じも大事にしたいと思える作品も多かった

死を意識した作品が多いように感じたし、それによって今生かされていること、をビシビシと感じた

私自身、社会人になってから5年以上経ち、ある程度慣れてきて、日々をあまり意識せずに過ごしているここ最近だったが、『一生懸命に生きる、自分ために生きる』という自分モードに思考が切り替わる感覚があった
(ここ最近、今の仕事のままずっと数十年続けるんだろうか…という悩みを頭の片隅に抱えているからかもしれませんが)

思い返せば、映像作品や音を伴う作品などが多く、逆に絵画はほとんどない。
ある種、作品全体がデモ活動のようだった

デモ活動などをあまりしない日本人にとっては、自分の感じたことを行動に移すこと、自分の生を叫ぶことを求められているようにも受け取れた

展示室 『わたしの解放』 
実際に行われた労働待遇への改善要望の働きの再現
展示室内には2段ベットがあり、
座って抗議の声を聞くことができる


何を感じ、何を思い、どう行動するかは鑑賞者次第

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