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長谷川武「南アルプス考」2020

長谷川武「南アルプス考」2020 抜粋

*長谷川氏は青年時より南アルプスに親しみ、自らの目と足で、南アルプス・大井川と対話されてきました。実感が伴った表現をお汲み取りください。表記の一部を補記させていただきました。(長塚) 

標高3千m近くまで、植物帯があり、ハイマツ・ダケカンバなどの高山植物、花畑標高2千5百m位迄原生林が存在する。

豚の背状の台地、準平原の尾根は標高1,600m以上が連綿と続き、多くの“・・平”を見る。

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事によって危惧される事     豚の背状稜線の砂礫層の多量な地下水脈の滅失             山稜に至る植物帯 南限のハイマツ・高山植物帯の破壊         保水量、水源の低下、湧き水の滅失                  沢の水源、水場が下がり枯渇 生態系の破壊

植物帯の消滅、沢屋河川の水源消失、何十万年の自然生態系を失うのも、百年も生きられない人間の都合(東京~名古屋 40分が何千億円)だけのトンネル。

事故等で閉じ込めの場合、静岡県内の事、静岡の警察署、消防署が山梨経由で向かうのか?

年間雨量3千ml余という豊富な水を、その長い尾根に溜め、平均9mの幅で、東は島田市矢倉山、西は牧之原まで90kmよ延々とつなぐ、標高3千mより3百mに下る稜線で閉ざされ“貯水槽”のようになり、長い年月を経て下流に、湧水として清涼な水を給す。                   太い尾根筋の多量の水は、支流となって、渇水期でも、尾根直下より、懇々と湧き、清浄な水を大井川に流す。                               三方が閉鎖された、国内でも稀有な河川であり、加えて尾根筋に水源を保有し、無数の支流となり、湧水となり、大井川流域の生活、環境を維持する。

今その貯水槽のような、貴重な閉塞河川の“底”、河川標高1300m、両側の尾根2600mの下に、昇りの緩傾斜で、県境の外700mから、大きな穴を穿つ、正に“貯水槽”の底の下に穴をあける。“貯水槽”の水は700mに向かって下に流れる。


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