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断想:カツラ見分け六段


この世の99パーセントは、冗談で出来ている。

そのように私思っていますので、これから綴る文章も、冗談だと思って読んでください。

あぁ、いえ、今回は「断想」なので、書いてある内容はほんとのことなんだけど、ちょっとセンシティブな内容ゆえに、いちおう気遣いです。そういう時代ですから。

それで何を言いたいかというとですね、信じてもらえるかわかりませんが、私ね、カツラを見分けるのがものすごく得意なんですよ。ほんとうに。

元々、始終きょろきょろしながら歩いてる性質ってのもあって、例えば街なかで芸能人を見かける確率も人様より高いです。あっ!て気づいちゃう。

たまに実家に帰ってクルマを運転してたら、かれこれ二十年は会ってないよなっていう同級生が歩道を歩いてるの気づく、とかね。そういう無駄な能力があるんです。視力は元々すごくよくて。

それでカツラの話に戻りますが、以前、会社の上司がもうね、ほんとおもちゃみたいなカツラを被っていたことがあるんですよ。本人はバレてないと思ってるけど、みんなわかっちゃってるっていうね。悲惨なパターン。

あれポリエステルだね。それと金具が前後左右から飛び出してんだもん。マジな話。

面と向かって説教されてるのに、ずれてるからもうなんだか堪えるのに必死で。なにこの罰ゲームって思ったのも今や昔ですよ。

その上司に鍛えられたわけじゃないですが、とにかくカツラ、あと増毛とか粉ふりかけありますね、あれを瞬時に見つける能力を備えたわけです。

街なかを歩いていてね、すっとすれ違ったひとがヅラだったとするじゃないですか。わかっちゃうのね。すごいよね。自分のなかではもはや師範級だと思っておりまして、段位でいえば六段だと思ってます。

ただですね、ひとつジレンマがあるんですが、たとえ私のように六段の技術と眼力をもってしてもですよ、答え合わせができないっていう。

街なかですれ違ったひとに、あなたヅラですね?とは訊けないし、知り合いにいたとしても訊けないわけ。これ報われないと思いませんか?せっかくの能力なのに…

ちなみに見極めるポイントを少し。

1.おでこの生え際がくっきりしている
これはカツラの場合も増毛、植毛の場合にもいえますね。不自然なの。

2.後頭部に段差や髪質の違いがある
ヅラのいちばんわかりやすい特徴かも知れません。さいきんは人毛使ったカツラもあるから、髪質も限りなく本人のものに近づけているでしょうけど、やっぱりわかります。段差ができちゃってたりするから。

3.もみあげに髪質の違いがある
頭部全体が黒々とした艶のある髪質なのに、もみあげだけ急に白髪交じりだったりするんです。地毛でもこういう方がいらっしゃるので、一概には言えませんけどもね。

あぁ手の内を明かしてしまった。

みなさん、ごきげんよう。






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