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THE FIRST SLAM DUNKを観た話

2022年12月3日に公開された、原作•脚本•監督井上雄彦!のスラムダンク。
映画スラムダンク…!
を、観てきました。
ギャンつくアニメ強火担もいらっしゃったようですが、なんかもうそんな下馬評など力技で根ぢ切って捨ててんげり(平家物語)な圧倒的、完璧なスラムダンクでした。

■暴れ狂うホルモンが整った話

12月15日に観に行ったわけですが、その日は朝から大層不機嫌で肌もガビガビ、前日までのあれこれであーくそぅ、とやさぐれモード。
土曜の昼に観に行こう、それこそIMAXレーザーで観ちゃうもんね、と2,500円課金したら間違って当日昼の回を購入しており払い戻し不可、腹が立ってレイトショー、ドルビーアトモススクリーンのプレミアムシートを3,100円で取りました。
一日で5,600円スラムダンクに課金。
てっぺん回って終演後、身体はほかほか、瞳はうるうる、朝起きたら肌艶も髪も悉く調子が良い。
宮城リョータは女性ホルモンの乱れにテキメン。

■ネタバレほぼなしのあれやこれや話

今作、既にあちこちで言われているけど主人公は宮城リョータ。
インターハイ、対山王戦がまるまる一試合描かれています。
なぜ主人公が花道じゃないんだ、という意見もわからないでもないのです、が、花道視点の山王戦は原作が最高到達点。
敢えて動画で、アニメーションで作る必要があるかと言えば確かに、まぁそこまでせんでも、と思うのです。なんせうちには通常版完全版新装版が全部あるし、読めばいいのだもの。

リョータを軸に据えたことで、わたしたちは彼の感性を通じて山王戦を見ることになります。
桜木花道は天才バスケットボールマン。でも彼はまだ素人。バスケットボールの哲学はまだ確立されていません。
宮城リョータは小さな頃からのバスケットボール経験と、理想で目標で決して追い抜けない選手像と、最高にカッコつけたいガードとしての矜持と哲学を持っています。
だからこそ彼の目を通じて見たこの山王戦の情報量はとんでもないものでした。
わたし、試合のラスト2秒を描いた数分間、息ができなかった。すごかったんです。ひりつくような緊張と興奮、恐怖と喜びの爆発。ちょっと泣いたよね。

なぜ主人公がゴリでもミッチーでも流川でもなく、リョータだったのか。
それはリョータが二年生でガードだから。きっと。
三年生と一年生をつなぐ。過去と未来をつなぐ。そしてボールをつなぐ。チームメイトをつなぐ。
彼を軸に据えることで、原作漫画では描かれなかった湘北高校バスケットボール部の過去が鮮やかになるのです。
その喜びたるや、もう。
彼の半生を描くことができたのも、それを2次創作おつ笑笑とさせなかったのも、賛否両論あるエンディングも、それが真実スラムダンクであるのは、井上雄彦が監督だからです。
異論?認めません、だって井上雄彦が描いたんだもの。

■声優さんの話

今作で一番賛否両論起きたのは声優陣の総入れ替えだと思います。
主演の仲村宗悟氏、超絶重低音声優・安元洋貴氏にわたくしがすっ転んだ挙句血迷ってサブスク課金しているAbemaの帯番組、声優と夜あそびにパーソナリティとして出演しています。にこにこ食事カットを肴に酒が飲める(安元氏公認)飯食い声優。
明るい好青年、といった声質だと思うのですが、拗ねて呟く掠れた声、興奮と緊張で上擦った声、大声で泣き崩れる声、その全てが完全に宮城リョータでした。
本当に、高校二年生の少しヤンチャな、カッコつけな彼の声だったのです。
リョータと同郷、というのもあっての起用だったのかなと邪推しつつ、完璧な新しい宮城リョータ像を作ったな、と思います。ほんとにこれからの活躍が楽しみです。よかったね、しゅーご。

あと今作でふわーってなったのは安西先生かなぁ。すごく素敵な低音で、ついていきたくなる名将感が満載でした。
ゴリも良かったです。山王戦のゴリは圧倒的センター河田を前に本当に勝てるのかと弱気になる。その恐れが伝わってきて、あぁそうか、ゴリも高校三年生、18歳の若者なんだなぁと実感したのです。

声優交代がイヤ、で観ないのは損。
観たら多分、これもありだな、と思えるはず。
ジャイアン声の花道も愛せます。花道だもん。

■主題歌の話

主題歌というかエンディング主題歌?
10-FEETの第ゼロ感。

わたしがゴリゴリに音楽を聴いていた大学生の頃から活動している(20年近く前だぜ)彼ら、まだやってたんだなぁ(失敬)となりつつ、アニメ派ではないけど主題歌に関してはWANDSの世界が終わるまでは…が一番だろと思っていたらどっこい。
先日関ジャムでアニソン特集をやっていて、アーティストが原作にリスペクトを持ち、世界観を踏まえてアニソンというかアニメ主題歌というかを作成してるんやでってくだりにほほぅ、となっていたのですけど、まさにそれ。
ごりっごりのロックなんだけど、映画観た後に歌詞を読んでほしい。これものすごいアニソンでした。
アンパンマンにおけるアンパンマンのマーチくらい、スラムダンクにおけるリョータのテーマになってるんだよ。す!ご!い!
まず観てください、そして聴いて読んでください。
ダムダム鳴るドラムがドリブルの音に聞こえてくるよ。音楽の緩急が試合の緩急に感じられるよ。


暑苦しく長々描いたつもりがたかだか2,200字。
もう本当に、観てよかった。年内にもう一回行こうと思います。
食わず嫌いしないでまず観てください。
話はそれからだ。

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