天才コント師

私の推しは本当に面白い。
天才コント師だ。

大学の同級生(お互い現役)。教職課程で出会った二人は、大学卒業とともにNSC入学。
NSC時代から常にぶっ飛ばしていき、M1とKOC初出場もこの時点で果たしていた。
ハイテンションな女性とローテンションな男性が織りなすぼんやりとしたシュールさはたちまち日の目を浴び、トントンと選抜チームに。卒業公演では大爆笑を掻っ攫ったという。
卒業後有名なお笑い事務所に所属。
九年後KOC優勝。彼らが31歳の頃だった。

少しだけ異色な、男女お笑いコンビ。
お互い身長が177センチもあって、でこぼこコンビでないところもまた良い。
天才肌そうな、髪の毛がチリチリ天然パーマの女性。
気弱そうで「大きいだけだな」と言われて生きてきたっぽい顔をしている男性。
こう見えて、ネタは男性の方が書いている。とっても面白い。最高だ。
目に染みるような、海よりも空よりも青いTシャツ。何かに染まりそうで、でも何もかもを跳ね返してしまいそうなくらい白いズボン。これがトレードマーク。(女の子の方はショートパンツ)
勝負スーツも持っているが、男の子の方がネクタイが苦手であまり着ないらしい。ちなみにネクタイは何故か真っ赤。
格好には訳がある。彼らが唯一尊敬しているコント師を真似した結果だ。
「彼らのようになりたい。私たち、この格好すればなれるんじゃ?と思ったんですよね」と以前どこかで女の子の方が言っていた。

お互いに絶大な信頼を置いている(ように見える)。
「こいつとなら日本一になれると思った…わけでは無いんです。ただ、ラーメンの食い方がなんか面白くて。」
「そうなんです。大学一年の頃かな?僕が学食でラーメン食べてたら、「なんか食べ方面白いですね」っていきなり。」
そんなヘンテコな、運命的な馴れ初めから一気に仲良くなり、お互い好きだったコント師が一致。
二人でいる時間が長くなり、あーだこーだあり、お笑い芸人を自然に、でも必然と目指していたらしい……。

私は九年前の小学4年の頃彼らに出会ってから、ずっと応援している。(つまりはデビュー当時から応援しているってことだ。)
そして、中学2年を過ぎたあたりからは、彼らが出ている東京の劇場と単独ライブには必ず足を運んできた。
時に医者、時に売れないお笑い芸人、時に高校生などなど、さまざまな世界をコントとして繰り広げている二人。
ネタをしている時が一番輝いて見える。
そして、その輝きをさらに増すように、観客の笑いを誘い、一体化し、煌めく。
本当にかっこいい。

そんな彼らは、一定の人気を持つお笑い芸人であるのに、テレビやラジオ、youtubeなどには一切出ない。唯一、雑誌のインタビューは答える。女性の方が、自分に興味を持ってもらえるのが嬉しいらしいのだ。

つまり、彼らのネタは劇場か年一の単独ライブでしか見ることができない。

「ネタをしている時が一番楽しい、って僕らが尊敬しているコント師が言ってるように__」
僕ら、ネタしかしたくないんですよ。

二年前の単独ライブ、最後の語りで男性が笑いながら放ったこの一言。
いや、バイトしてますやん!と女性がすかさずツッコみ会場は爆笑の渦。
その中で、二人は世界一輝いて見えた。

そしてその一年後、デビューから九年、コント師真の頂点に上り詰めたのだ。

彼らの名はブルーライト。天才コント師だ。



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