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ジャルジャルさん「黒とベージュ」

7/10の岩手がツアー最終日だった「JARUJARU TOWER 2022-黒とベージュ-」。私は6月初めの東京公演の初日(ルミネtheよしもと)と最終日(銀座ブロッサムホール)にいってきました。
初日会場のルミネには、けっこうぎりぎりに到着。客席に入るとBeatles「HELP!」のサントラが流れていてワクワク♫ほどなくスタート。

今回の単独もいつものように、それぞれにつながりのある、おもろいコントが次々と~!

「フレンドリー捜査官の奴」
このあとも繰り返し出てくる、やたらフレンドリーな捜査官(後藤さん)曰く、「世の中完全な白なんかない。黒とベージュよ」
彼の言葉を証明するかのように、ステージでのさまざまな映像は、みんな黒と白じゃなくて、黒とベージュに~。パンダも、碁石も、チェスも、ピアノの鍵盤も、楽譜も、サッカーボールも、おにぎりの海苔とごはんも、葬式の鯨幕も…。


「コートと心奪われた奴」
黒とベージュのツートンカラーのコートを着ている女子大生(福徳さん)。
見知らぬ男(後藤さん)がいきなり声をかけてきます。「君のことが欲しい!」。
ひとめぼれをしたのだといい、男は熱く熱くせまります。とまどっていた女性も、情熱的にくどかれるうち胸がドキドキしてきて、ついにOKの返事をします。
すると男は歓喜して女性のコートを奪い、去っていくのでした。



「ケチな奴」
女子大生(福徳さん)は母子家庭の3人姉妹で育ち、高校まで女子校で、大学で初めて共学になりました。それで男の人のことをぜんぜん知らないから、同級生の男子(後藤さん)に、あるものを見てみたいと頼みごとをします。ハズい頼み事に、なかなかうんといえない同級生を、女子大生は「ケチ」となじります。


「フリーターの兄ちゃんをキャプテンにした奴」
めざましい成績をおさめているセイリン大学の駅伝部。監督(福徳さん)は、「山の神」と呼ばれている強豪選手(後藤さん)を次のキャプテンにと決めています。しかし彼はひょんなことから部に紛れ込んだまま活躍し続けているコンビニアルバイターなのでした~。

「背中○○かかされた奴」
ははは。


「常に真剣LOVEする教師クスノキって奴」
教師クスノキ(福徳さん)は、自分の彼女カズミちゃんとバイト先がいっしょの男子サジキハラ(後藤さん)に疑いを持ちます。「カズミとはどういう関係ですか?」。クスノキは妻帯者だし、男子はクスノキの教え子という設定ですが、クスノキがじつに堂々としているのがスゴイ。クスノキの発する「真剣love」とか「遊びごっこ」とかいう言葉がすこぶるユカイです。


「舐めてから充電する奴」
プラグとかカギとかボトルのキャップとか、なんでも舐めてからなにかをする奴(後藤さん)。爽やかフェイスの後藤さんが演っていても、やっぱりヤダーと思ってしまいます笑


「所属俳優の仕事いっぱい奪って毎日楽しい奴」
オフィス・クロベエの社長クロベ―(後藤さん)は、例の黒とベージュのコートを着ています。たったひとりの所属俳優はザイゼン(福徳さん)、まだ売れてません。
「ザイゼンの夢は俺の夢。ザイゼンのよろこびは俺のよろこび」てなこと言ってるクロベ―ですが、ザイゼンに仕事のオファーが来ると「それ、僕じゃだめですか?」と次々仕事を自分のものに。もと役者だったクロベ―、現役感がぜんぜん抜けていなかったのでした。「もっともっと横取りしたーい」笑顔のクロベ―と恨んで去っていくザイゼン。「おまえ、おぼえとけよ」


「テラオカ枕のCM、15秒におさめた奴」
CMの仕事も横取りしたクロベ―(後藤さん)は、当日現場へ。監督(福徳さん)自らも出演して2人でのCM撮り。入れる内容が多すぎて50秒以上かかってしまうCMを、なんとか15秒におさめるべくどんどん変えていくスピード感あふれる展開が、もうとにかくめちゃおもしろくて笑いっぱなし。今回のなかで圧巻!のコントです。



「これで2万人集められる奴」
CM後、テラオカ枕といっしょに渡されたLiveチケット。名も知らないアーティストでしたが、クロベ―(後藤さん)は行ってみることに。会場には2万人の聴衆。Liveが始まりステージにあらわれたのは…さきほど会場がわからなくて道で訊ね、会話をかわした男性(福徳さん)でした。彼は、「さっき、こんなことがありまして…」とエピソードトーク。「あっ、僕のことだ」とワクワクするクロベ―。でも途中まではいかにもクロベ―の話っぽかったのに、裏切られます。「ぼくじゃなーい」「僕のエピソード話してくれるのかと思ったのに」。ミュージシャンが話す幾つものエピソードのたびに、繰り返されるクロベ―の「ぼくじゃなーい」がチャーミング笑


「続フレンドリー捜査官の奴」
さて、ここで捜査官がつかまえる奴は……?

ーテラオカ枕のCMは10年間放映され続けています。映像は同じものを使っているので劣化していってるようです。もともとベージュのテラオカ枕、10周年の記念カラーで、黒が出ましたー


「満月の夜に毎回これやってる奴」
犬の遠吠えが聞こえます。空にはきれいな満月が。
オフィスで残業している男2人。週刊誌を読んで噂話。
「テラオカ枕の俳優、毒殺されたんだってな」
「殺されて一カ月たったけど、あのCMまだやってるな」
やがて男のうちのひとり(後藤さん)が、
「おまえ、オオカミ男って信じる?」と言い出し、変身?...さあ、彼ははたしてオオカミ男なのでしょうか...?


「演技の出来、屁でこき伝える奴」
役者がいい演技をすると、屁をする女性監督(福徳さん)。
そこにやってきた俳優クロベ―(後藤さん)。
前のオオカミ男コントではクロベ―はもう「毒殺された」ってことになってますから、時間的にはもどっているシーンですね。
女性監督の指示で演技を繰り返すクロベ―。その出来によって、さまざまな屁を発する女性監督。彼女は、じつは10年前に…。


「知らない女性にオリジナルソング聞かされた奴」
その女性監督(福徳さん)がスタッフのタケシさん(後藤さん)と話しています。
次は海外で映画を撮るという女性監督ですが、タケシさんは今回で引退を決めたと監督に打ち明けます。長年の感謝の気持ちとして、なにかしたいという監督に、タケシさんは言います。「互いに相手への気持ちをオリジナルソングにして、歌いあいましょう」と。「えー、なにそれ、ハズイ」という監督ですが、約束をさせられてしまうのでした。
空港で、これから海外に立つ監督。見送りに来たタケシさんを見つけると、監督は歌います。感謝の気持ちをこめていっしょうけんめいつくったオリジナルソングを、タケシさんに向かって、歌い、捧げます。
ところが…それを見ていたタケシさんは、きょとん。
「なに歌ってはるんですか?」
「えっ? だって...」
「はじめまして、タケシの双子の弟のタケルです。兄が具合悪くてこられないんで、それ伝えにきました。36度9分の熱出して」
この体温設定が絶妙です笑



「すべての音を指揮する奴」
世界的指揮者ニカイドウ(福徳さん)が指揮棒をふれば鳥がさえずり風が木を揺らしヒールの音が響きます♪
じつは、このニカイドウの正体は……。


「続々フレンドリー捜査官の奴」
さて、クロベ―はいったい、誰に殺されたのでしょう?
黒米家の墓に墓参りをするその人は……?


すべての謎が明らかになり、逮捕のときに、フレンドリー捜査官が犯人をいたわる優しい所作と、冒頭と同様の意の彼の言葉が、心にのこるラストでした。

「白黒はっきりつけてくれ? 世の中、完全な白なんかないのよ。世の中、黒かベージュです」

「黒かベージュです」…人のココロもそうかもですが…それでも、クロベ―を想う女子大生の当初の気持ちは、きっと真っ白だったよね、と思いたい…恋のせつなさが、胸にコトン、とのこる舞台でした。

ところで縦にも横にも使えるこのポスター。
銀座ブロッサムにいったときに気づいたのですが、横バージョンのパネルが設置されていて、その上にお客さん達が顔の上半分を出して、写真が撮れるようになっていました。楽し。
ただ個人的には、やっぱおふたりの顔が映っているほうが嬉しいかも。

冬の単独のスケジュールは、初日の最後にステージの画面でさらりと告知されていました。またがんばってチケットとらねば~(^-^)/

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