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アリさんの声

静かな静かな平日午後の図書館。

タッタッタッタと小さな走る音が迫ってきて、「キャキャキャッ」と甲高い声がした後、<ゲゲゲの鬼太郎>のテーマソングは始まった。

2歳くらいと思われる彼女は、「大人たちよ!人生はかくも楽しく喜びに満ち溢れているではないか!!!」という感じで周囲を見渡し…

「じぇっ、じぇっ、じぇじぇじぇのじぇ~♪ふんふーふふふふふ ふんふんふ~ん♪」

「じぇっ、じぇっ、じぇじぇじぇのじぇ~♪ふんふふんふふ~ん…♪」(ループ)

と歌い出した。

ゲゲゲの鬼太郎のテーマソングは令和の2歳児の心も掴むようである。
すごい。

そのあと、お母さんが走りこみ、
「静かにしよう!!しーっ、しっ、しっ。お願いだから静かにしよう!」
と必死に言っている。

歌は止まらない。

いいぞいいぞ、もっと歌ってしまえ~!!と心の中で応援していると、お母さんはさっきより少しだけ大きな声で短く言った。

「アリさん!!」
「アリさんの声で!!!」

そしてすぐ、彼女はアリさんになった。
小さな小さな声で、ゲゲゲの鬼太郎は続き、そしてすぐに静かになった。

賢いな。
お母さん、すごいな。

アリさんは家にある絵本に出てくるのかな。
お母さんが読んでくれているのかな。
彼女は小さくてもちゃんと想像が出来ている。
アリさんはとてもとても小さくて、多分声も小さい。

お母さんは、彼女が理解し、行動できる、適切な例を用いて、その小さい怪獣の行動を変えた。

そう、私たちは、イメージできれば行動できる。行動を変えられる。
イメージできないと同じ失敗や行動を繰り返す。

研修や講演で、「具体例を話してください」と言われることが多いが、例え話や具体例は、私たちが行動を変えるための必須アイテムなんだと思う。

もし会社で…、

自分の話が伝わっている気がしない(嘆き)、
同じ小言を繰り返している、
あまりに手ごたえがないから話すこと自体諦めかけている…

という状況なら、もしかすると、部下や同僚は、あなたのお説教や話す言葉から、やるべきことや行動、<最悪の事態>がイメージできていないのかもしれません。

そんなときは、「アリさん」を。
もう少し、伝わるようになるはず。

今日の質問:ねえ、もっと、たとえ話、盛り込んでみない?

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