「昨日から学ぶ」をイカします! #100日間連続投稿マラソン
今日も、おもちさん からいただいたお題をイカします!
「昨日から学ぶ」
くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡💦ピューン
僕たちはバイト終わり、イオンに寄って映画を観た。それから何の目的もなしに館内をゆっくり歩きまわった。外国雑貨の店、服、アクセサリー、カメラ、本屋、ドーナツの店、いくつも通り過ぎた。オールドファッションの大きな看板を指さすと「大丈夫です。太っちゃいます」と彼女は笑った。大きな瞳がまぶたに隠れてまた現れた。下ろした髪の隙間から、小さなピアスが光る。黒のワンピースにサンダル。バイトのカラフルな制服とは別人みたいだ。
トイレから戻ると、彼女は花屋の前で屈みこんでいた。『春の薔薇フェス』と書かれた看板を埋め尽くすように、たくさんの薔薇が並んでいる。
「こんなに色の種類があるなんて知りませんでした」彼女は立ち上がりながら言った。
「薔薇好きなの?」
「はい、好きなほうだと思います」
「どの色がいい?」
「そんな!大丈夫です」彼女は首を振った。「すみません、私もお手洗い」
彼女はサンダルを鳴らしながら走って行った。
僕は薔薇に目をやった。
(これ、帰ってきたときに買ってあったらめっちゃかっこよくないか?)
(しかも、彼女が欲しかった色を、どんぴしゃで)
薔薇たちと対峙する。
白、
ピンク、
黄、
赤、
紫。
僕は唇を噛んだ。
今日、僕と彼女は連続でシフトがかぶって五日目を迎えた。僕たちは目を合わせて会釈して、何度も店の廊下ですれ違って、最後には笑ってしまった。彼女はお客さんからの評判がよくて、でも休憩室ではいつも隅っこで小さくなっていて、よく正社に構われてはにかむ。おじさんたちの話をよく聴いてうなずく。高校生の子が落としていった服務違反のピアスをそっと隠してあげる。そんな様子だから彼女はすごく好かれていた。昨日は、店長が持ってきたお菓子の箱を彼女の前で広げて、「君からどうぞ」彼女はびっくりしてしまって、小刻みに首を振った。はにかんで、何度もお辞儀をしながら手にしたのは、箱のいちばん端にあった、黄色の、
彼女は小走りで帰ってきた。
「すみません、お待たせしました」
「これどうぞ」僕は一輪のプレゼントを渡した。
彼女は大きな目をさらに大きくして、両手で口を押さえて微笑んだ。
「ありがとうございます」
「全然」
「一番好きな色です」目が合う。「本当ありがとうございます。すみません」
外が暗くなってきて、僕たちはお開きにした。彼女をバス停まで送り、僕は明るい夜道を歩いて帰った。コンビニで弁当を買い、大家さんとすれ違って挨拶し、部屋の電気をつけて荷物を置くと、大きくガッツポーズして冷蔵庫に肘をぶつけた。
#100日間連続投稿マラソン 18日目でした!お付き合いいただきありがとうございました(*´▽`*)
今日はお題をくださったおもちさんの奥様、きなこさんのお誕生日だそうです✨
きなこさんおめでとうございます!🎁🦑✨
#イカ変態同好会 たくさんのイカ作品が水揚げされています。イカ変態のみなさま本当にありがとうございます!
でもまだまだお待ちしておりますよー!🦑🦑
それでは、また明日お会いしましょう(*´▽`*)/
こちらに参加させていただいています。
サポートをお考えいただき本当にありがとうございます。