ユーリ
真希ナルセ
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漫画やイラストだけでなく音楽も作っています。毎週末に一曲ずつ上げています。
YouTubeの「井戸端レディオ」をやっているチャンネルで古い日本の歌を弾き語りカバーを、SoundCloudとnoteではオリジナル曲を、隔週交互に公開しています。
【マキナルの井戸端レディオ】 https://www.youtube.com/channel/UCGRgxIzgpUwLHox-7IDgQLQ
ずっと「ペットミュージック」と名付けた、順番からすると3枚めの、ポップ色が強いアルバムになる予定のものから紹介しています。
全体として明るく分かりやすいことを目指した、自分の周りにいる動物たちをモチーフにした作品集です。
その9曲めが「ユーリ」になります。
これは一昨年秋に書いた曲です。
この年は comicoでの週刊連載がはじまり「音楽活動は停滞するだろう」と予想していました。
ささやかな抵抗ではないですが、それなら音楽作りの際にはしっかりしたテーマを設け、時間はなくとも質的に向上させたいと計画していました。
そのテーマとは、自分が一番好きだった音楽の原点、ビートルズ的な楽曲に立ち帰ってみようということでした。
この頃は色んなアレンジに手を出すうち、本質的な方向性を見失っている気がしていました。
そこで「サーカス」「銀色の路」「ユーリ」という3曲を書いていきました。
「サーカス」は後期ビートルズのタイトなロックを、「銀色の路」は初期の元気あるフォーク・ロックを、そしてこの「ユーリ」は「ガール」「ミッシェル」などの中期バラードのムードを意識しました。
どこかサイケデリックでブリティッシュ・テイストのサウンド、それが自分がかつてロックにはまり、貪るように聴いていた原体験でした。
制約ある短い時間の中でも楽しく書けたのは、このお題を自分に課したからだと思います。
もうひとつの側面は、この歌が2015年7月に保護し、今では家族の一員となった猫ユーリをテーマにしたものだということです。
当初、命も危ない状態でしたが、毎日病院に連れていき治療を施しました。
一進一退、そして二か月かけ徐々に回復していく様を見るにつけ、自分の中で様々な感情が生まれてきました。
生に対する畏敬の念、赤子が育つのを見守るかのような父性本能、まったく無知だった猫への関心、それらの芽生えでした。
その気持を忘れたくなかったので、この期間作る曲はまずユーリの歌にしようと決めていました。
夏が終わりユーリの体調が峠を超え安定した頃、いつも通りメロディから作りはじめました。
横道に逸れたりせず、メロディも詞も強くユーリをイメージしていました。
ずっと一緒に暮らしていきたいという気持ちを表そうとしました。
愛犬の歌はたくさん作りましたが、猫は初体験でした。
何となくマイナー・コードの方が猫っぽい雰囲気のように思いました。
ユーリの過酷な野良猫時代を想像するにつけ、哀愁のマイナー調が似合う気がしました。
「ユーリ」とはドイツ語で「7月」の意で、7月に保護したのでそう名付けました。
この詞では7月に暦が始まり、歌の中で一年が一回転しますが、韻を踏む他愛ない言葉遊びのようなものでもあります。
何故か2月が抜けてしまいました。それにずっと気づいていなくて、どうして抜けているのか、何か深層心理でも影響しているのか、自分ではよく分からないでいます。
今からでも詞を変えて2月を入れた方がいいのか、迷っています。
いつもは弾き語りのバージョンを披露していますが、今回はアレンジのかなり進んだバージョンを出してみました。
この歌に関しては骨組みはこんな中期ビートルズ風な感じでいきたいと思っています。
中音域が集中したサウンドなのでMIXはかなり難航しました。音が交通渋滞してしまいがちです。
ただストリングス、エレピ、ドラムのみならず、今回はベースも打ち込みです。
忙しくて十分な時間が取れない時はどうしても打ち込みで済ませてしまいます。
そして皮肉なようですが、生演奏よりノイズも抑えやすく、時間がない時MIXで使い勝手が良いのは打ち込みの方だったりします。
愛猫の歌ではありますが、詞自体は同棲カップルのラブソングのようだったり、友人、親子関係にもなぞらえられる普遍性も意識してみました。
当時まだ仔猫だったユーリにしては大人びた曲調だったんですが、今やこの歌のような優しいムードをたたえた立派な成猫となりました。
ちなみにユーリ自身にこの歌を弾き語りで聞かせると普通に聞いてくれます。
後輩のレイラはアコースティックギターが怖いようで隠れてしまいます。
ジャケットは曲を書いた直後のユーリです。まだ仔猫でオモチャで遊ぶのが大好きな頃の過去フォトです。
大きな目、遊び好き、病弱でエリザベスカラー、あの時のユーリの要素がすべて詰まっているような一枚なのでこれを選びました。
「ユーリ」
詞・曲・演奏・歌 真希ナルセ
七月の雨に 凍えて ユーリ
僕に教えて 本当のストーリー
八月の陽射しが 真っ直ぐに注ぐ頃
君の逆境が 乾けばいいのにな
九月の気配を 嗅ぎ取れば ユーリ
少しは傷みも 癒えて自由に
十月が色づいて 君を美しく
この世界の中で 映し出すのさ
君と出逢った季節さえも
いつの間にか 忘れてしまうような
退屈で素敵な日々を待つ
十一月が 吹いたら ユーリ
また動き出す 二人の心理
身を寄せ合い 過ごせたならいいね
十二月の白に 染まれば ユーリ
一月の気配も 憶えて由々しい
三月が来る頃に 潤いを忘れてた
四月に咲く花が 蕾をつける
君とある日組み立てた玩具(おもちゃ)
どこかで置き忘れたりしないで
心の片隅置いておこう
五月や六月の 恵みも ユーリ
やがて迎える 一年の記念日
君と共に歩んでいけたら ユーリ
眩(まばゆ)いことだと 僕は思うんだ ユーリ
Key = Dm
BPM = 125
エレクトリック・ピアノ = WAVES Electric 88 Piano
ドラム = FXpansion BFD 3
ベース = Native Instruments KOMPLETE 11 SCARBEE MM-BASS AMPED
12弦アコースティック・ギター = GUILD Westerly Collection D-1212 NAT
コントラバス/チェロ/バイオリン = IK Multimedia SampleTank 3 Miroslav Philharmonik 2
管弦楽セクション = Native Instruments KOMPLETE 11 SYMPHONY ESSENTIALS
シンセサイザー = IK Multimedia SampleTank 3
キーボード = Native Instruments KOMPLETE KONTROL S49
マイク= NEUMANN TLM49
DAW = Avid ProTools 2018
オーディオインターフェイス = Focusrite Clarett 2Pre
ジャケット・デザイン = iPhone x / Adobe Photoshop CC
YouTubeの「井戸端レディオ」をやっているチャンネルで古い日本の歌を弾き語りカバーを、SoundCloudとnoteではオリジナル曲を、隔週交互に公開しています。
【マキナルの井戸端レディオ】 https://www.youtube.com/channel/UCGRgxIzgpUwLHox-7IDgQLQ
ずっと「ペットミュージック」と名付けた、順番からすると3枚めの、ポップ色が強いアルバムになる予定のものから紹介しています。
全体として明るく分かりやすいことを目指した、自分の周りにいる動物たちをモチーフにした作品集です。
その9曲めが「ユーリ」になります。
これは一昨年秋に書いた曲です。
この年は comicoでの週刊連載がはじまり「音楽活動は停滞するだろう」と予想していました。
ささやかな抵抗ではないですが、それなら音楽作りの際にはしっかりしたテーマを設け、時間はなくとも質的に向上させたいと計画していました。
そのテーマとは、自分が一番好きだった音楽の原点、ビートルズ的な楽曲に立ち帰ってみようということでした。
この頃は色んなアレンジに手を出すうち、本質的な方向性を見失っている気がしていました。
そこで「サーカス」「銀色の路」「ユーリ」という3曲を書いていきました。
「サーカス」は後期ビートルズのタイトなロックを、「銀色の路」は初期の元気あるフォーク・ロックを、そしてこの「ユーリ」は「ガール」「ミッシェル」などの中期バラードのムードを意識しました。
どこかサイケデリックでブリティッシュ・テイストのサウンド、それが自分がかつてロックにはまり、貪るように聴いていた原体験でした。
制約ある短い時間の中でも楽しく書けたのは、このお題を自分に課したからだと思います。
もうひとつの側面は、この歌が2015年7月に保護し、今では家族の一員となった猫ユーリをテーマにしたものだということです。
当初、命も危ない状態でしたが、毎日病院に連れていき治療を施しました。
一進一退、そして二か月かけ徐々に回復していく様を見るにつけ、自分の中で様々な感情が生まれてきました。
生に対する畏敬の念、赤子が育つのを見守るかのような父性本能、まったく無知だった猫への関心、それらの芽生えでした。
その気持を忘れたくなかったので、この期間作る曲はまずユーリの歌にしようと決めていました。
夏が終わりユーリの体調が峠を超え安定した頃、いつも通りメロディから作りはじめました。
横道に逸れたりせず、メロディも詞も強くユーリをイメージしていました。
ずっと一緒に暮らしていきたいという気持ちを表そうとしました。
愛犬の歌はたくさん作りましたが、猫は初体験でした。
何となくマイナー・コードの方が猫っぽい雰囲気のように思いました。
ユーリの過酷な野良猫時代を想像するにつけ、哀愁のマイナー調が似合う気がしました。
「ユーリ」とはドイツ語で「7月」の意で、7月に保護したのでそう名付けました。
この詞では7月に暦が始まり、歌の中で一年が一回転しますが、韻を踏む他愛ない言葉遊びのようなものでもあります。
何故か2月が抜けてしまいました。それにずっと気づいていなくて、どうして抜けているのか、何か深層心理でも影響しているのか、自分ではよく分からないでいます。
今からでも詞を変えて2月を入れた方がいいのか、迷っています。
いつもは弾き語りのバージョンを披露していますが、今回はアレンジのかなり進んだバージョンを出してみました。
この歌に関しては骨組みはこんな中期ビートルズ風な感じでいきたいと思っています。
中音域が集中したサウンドなのでMIXはかなり難航しました。音が交通渋滞してしまいがちです。
ただストリングス、エレピ、ドラムのみならず、今回はベースも打ち込みです。
忙しくて十分な時間が取れない時はどうしても打ち込みで済ませてしまいます。
そして皮肉なようですが、生演奏よりノイズも抑えやすく、時間がない時MIXで使い勝手が良いのは打ち込みの方だったりします。
愛猫の歌ではありますが、詞自体は同棲カップルのラブソングのようだったり、友人、親子関係にもなぞらえられる普遍性も意識してみました。
当時まだ仔猫だったユーリにしては大人びた曲調だったんですが、今やこの歌のような優しいムードをたたえた立派な成猫となりました。
ちなみにユーリ自身にこの歌を弾き語りで聞かせると普通に聞いてくれます。
後輩のレイラはアコースティックギターが怖いようで隠れてしまいます。
ジャケットは曲を書いた直後のユーリです。まだ仔猫でオモチャで遊ぶのが大好きな頃の過去フォトです。
大きな目、遊び好き、病弱でエリザベスカラー、あの時のユーリの要素がすべて詰まっているような一枚なのでこれを選びました。
「ユーリ」
詞・曲・演奏・歌 真希ナルセ
七月の雨に 凍えて ユーリ
僕に教えて 本当のストーリー
八月の陽射しが 真っ直ぐに注ぐ頃
君の逆境が 乾けばいいのにな
九月の気配を 嗅ぎ取れば ユーリ
少しは傷みも 癒えて自由に
十月が色づいて 君を美しく
この世界の中で 映し出すのさ
君と出逢った季節さえも
いつの間にか 忘れてしまうような
退屈で素敵な日々を待つ
十一月が 吹いたら ユーリ
また動き出す 二人の心理
身を寄せ合い 過ごせたならいいね
十二月の白に 染まれば ユーリ
一月の気配も 憶えて由々しい
三月が来る頃に 潤いを忘れてた
四月に咲く花が 蕾をつける
君とある日組み立てた玩具(おもちゃ)
どこかで置き忘れたりしないで
心の片隅置いておこう
五月や六月の 恵みも ユーリ
やがて迎える 一年の記念日
君と共に歩んでいけたら ユーリ
眩(まばゆ)いことだと 僕は思うんだ ユーリ
Key = Dm
BPM = 125
エレクトリック・ピアノ = WAVES Electric 88 Piano
ドラム = FXpansion BFD 3
ベース = Native Instruments KOMPLETE 11 SCARBEE MM-BASS AMPED
12弦アコースティック・ギター = GUILD Westerly Collection D-1212 NAT
コントラバス/チェロ/バイオリン = IK Multimedia SampleTank 3 Miroslav Philharmonik 2
管弦楽セクション = Native Instruments KOMPLETE 11 SYMPHONY ESSENTIALS
シンセサイザー = IK Multimedia SampleTank 3
キーボード = Native Instruments KOMPLETE KONTROL S49
マイク= NEUMANN TLM49
DAW = Avid ProTools 2018
オーディオインターフェイス = Focusrite Clarett 2Pre
ジャケット・デザイン = iPhone x / Adobe Photoshop CC
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