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別にライターになりたいわけじゃない


別に売れる俳優になりたいわけじゃなかった。


気づいてしまったらもう遅くて、毎日がとてつもなく、一変して今までよりずっと自分のモノになったんだけど、なりすぎてどこか遠いものになったような。不思議な感覚を毎日毎日味わっている。


わたしは売れない駆け出しの役者というものを演じ続けてきた。


わたしが演技をすることで観てくれた人間を変えられると信じてきた、そしてそれは今も信じ続けている。だけど、わたしが演技すること、というよりわたしが伝えたいテーマに沿った作品で作品のために演じること、が唯一きっと私の理想通りの俳優になれる、やっと気づいた未来像なのだ。

売れない、売れたい役者は楽だった。

何かにつけて売れない、チャンスがない、でも努力してると言い張っていれば、夢を追うキラキラした存在に表面上仕立てあげてもらえた。

わたし自身その泥沼からすごく抜け出したくて、どうしたら売れるのか、売れるために何ができるのかずっと思い悩んできた。


ふと、立ち止まって自分の姿を確認したとき。


私って、何になりたかったんだっけ?と思った。

売れるってなんなんだろう。いい作品にでるって今の思っている方法で進もうとしても出たくない作品を沢山積み重ねて沢山お客さんを呼んで、客寄せ出来ないと前に進めないなんて、なぜ?


わたしは、いいものだけを、人に勧めたい。

コマーシャルの仕事をとる自分が見えない、というか、自分が勧めたくないものの広告塔になんてなりたくなかった。

仕事だからと割り切れるラインが思ったより狭い。


向いてないな。

向いてない。じゃあ辞めよう。なんて簡単な気持ちで俳優をやっていなかった。


今後のために必要な勉強をする。


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