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部屋と停電と部屋着

ばちんっ。
一瞬にして目の前が真っ暗になった。
さっきまでんーんー言っていた換気扇も止まり、しーんとしている。

毎日生活している空間なのに、今自分が立っている場所すら不安定になる。

明かりを探して壁伝いにスイッチを押す。
ぱちん。
スイッチの音が暗闇と静寂の世界に軽く響く。

iPhone…私のiPhoneはどこ?
懐中電灯代わりに…!
「痛ーっ!」

iPhoneでぶつけた辺りを見ると、今日の朝使って出しっぱなしにしていたアイロンのコンセントが床に転がっていた。
これか、私の足の裏を痛い目に合わせたのは。


○●○
今夜の停電である。
外には稲妻が光っていた。
地震雷火事親父、火事の経験はないが私にはすべてが恐怖の対象だ。
できるだけ一人で過ごしたくない。

あぁ、やっぱり結婚したい。

この程度の雷と3.11を一緒にしては怒られてしまうかもしれないが
災害をきっかけに結婚をした人が多かったと聞く。
孤独と恐怖は人を弱らせる上に人の体温を感じたくなるものだ。


明日も夕方から雨らしい。
今日と同じように雷がゴロゴロするかもしれない。
また停電するかもしれない。

でも、明日いきなり旦那さんが私の家に現れることはない。
悲しいけれど、それが現実だ。
例えそんなことが起きたとしても同じ時間に帰宅してるかは不明なわけで。
旦那さんに期待しすぎるのはよくない。


私一人で孤独と恐怖に打ち勝つために、今すぐできること。

・iPhoneを肌身離さず持つこと
・ちゃんとした部屋着で過ごすこと


ちゃんとした部屋着、これすっごく大事でしょ。
逃げ遅れないため、誰かに助けに入って来てもらった時の自分。
想像して。

うん、とりあえず明日はかわいい部屋着を買って帰ろう。

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