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正しい夜

初夏と香水 な話。


窓を開けるとツツジや草木の湿った匂いが風に乗り、ほんのり涼しく高過ぎない湿度が心地よい夜。

私の中で正しい初夏の夜といえば今日みたいな日だ。

今年はやたら早い梅雨もどきが顔を出したり引っ込めていたので5月らしさを感じにくかったけれど、今夜はあまりにも気持ちよくて眠るのが惜しいくらいだ。

子供の頃から夜が立てる静かな音や気配たちに耳を澄ませるのが好きだった。

自然に目を向けている時間が長い分、社会や人間関係の機微に疎かったのかもしれないが、大人になった今でも季節ごとの変化に心を寄せることができるのだから良しとする。

何はなくともなんだか特別な1日だったと思えるような日は、大抵自然が私の生活を彩ってくれているのだ。

植物学者の子孫が立ち上げたフレグランスブランドMaison Louis Marieは、何気ない自然に日々癒されている私のような類の人間にとって、まるでお守りのような香水を創り続けている。

様々な植物園をテーマに、躍動感ある緑、濃密な原生林、木々の儚さがそれぞれの瓶に詰め込まれ漂い出す。

嗜みやファッションとは違う、自然を思い出したいような日に使いたくなるのだ。

その季節「らしくない夜」に出会ってしまった時は、Maison Louis Marieの植物園シリーズを纏ってみればいい。

どの香りもきっと、かつてどこかで感じた自分の中の正しい夜を思い出させてくれるはずだから。

#日記 #エッセイ #香水紀行 #メゾンルイマリー
#香り

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