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大事なこと

不意に思い出して一通のメールを読み返していた。
今から4年前の2017年の3月に私自身が送ったメールだ。
全てはここから始まったと言ってもいい。

そこには「ただ待ち続けるのではなく、自ら呼び寄せることも大事なのではないかと思った」と書かれている。
物事にはただじっと待った方がいい時と動き出すべき時があると思う。私はその見極めの大切さをこの4年で随分学んだ気がする。

このメールを送る二週間ほど前のこと。
私は企画書と資料の束を抱えてヲルガン座の前に立っていた。ほとんど飛び込みのような状態でオーナーであるゴトウイズミさんにアポを取り、ある企画を持ち込んだのだ。

それが「黒沢秀樹さんを広島に呼びたい」というものだったのである。(そこに至った想いは長くなりそうのでまた別の機会に)
イズミさんはL⇔Rのことはご存知だった。
私がその日どんな話をしたのかは記憶がない。とにかく必死だったのは覚えている。一通り話し終わったあとイズミさんは一言「瞬時に理解しました」と言った。
そして「こういった持ち込みはよくあるし大抵は断ることの方が多いんだけどね」と前置きしてから「私が何か動くということはできないけど、アドバイスくらいならできます。やってみましょう」と頷いた。
この時、私は自分の中で運命の何かがカチッと動く音を聞いた気がした。

お話が終わった後、ヲルガン座で募集しているボランティアスタッフに応募できないか聞いてみた。
音楽を聴くことは好きだったが、ライブがどう作られるのかなんてことは何も知らない。何が必要かも分からない。色々学びたいと思ったのである。
イズミさんは二つ返事で「じゃあ来月からシフト送るねー」と忙しなく次の来客の元へと去って行った。
そしてその日から今現在まで私はヲルガン座で月に1〜2回ではあるがボランティアスタッフを続けている。

タイミングというのはとても大事だ。
どういう訳かあの時「これは今じゃなきゃいけない」と強く感じていた。
そういう予感は大抵当たる。
例え失敗したなと思ったことがあったとしても、その時の出会いが後々別の未来へと繋がっていったりすることもある。縁とは不思議なものである。

その後、紆余曲折あり無事黒沢秀樹さんを広島へお呼びすることができた。
L⇔R以来ソロとしては初めての広島ということでお客様にも喜んでいただけたし、ライブはとても素晴らしいものだった。大成功だったと言ってもいい。
だけどもその夜私自身はすっかり打ちのめされてしまっていた。
やっぱり私はダメだなあなどと一人ヲルガン座のカウンターから立ち上がれずにいた。そんな私の横にイズミさんが「奢るから何でも好きなもの飲んで」と座る。この時話したこともやっぱり今となっては思い出せない。
はっきりと覚えているのは最後にイズミさんが言った言葉。

「繋げていくことが大事だよ」

「続けていくこと」ではなく「繋げていくこと」
この時はまだこの言葉の意味にピンときていなかった。
だけども、それ以来この言葉は私の人生のテーマになっていったような気がしている。段々と理解していった。
大きなことを続けてやっていくのは大変なことである。でも小さな一つ一つを繋いでいくことによってまた次の好機に巡り会える。
人生はその繰り返しなのではないかと思うようになった。
全てはその気持ちと縁なのだ。

つまり何が言いたいかと言うと、あれから4年が経った2021年はそんな黒沢秀樹さんのデビュー30周年であり、ソロでは初のホールでのソロワンマンが開催されるということである。そしてそのプロモーションに私もささやかながら協力させていただいている。
この辺りは長くなりそうなので次回またまとめることにする。

そして肝心のチケットは今日(11/13)現在ライブポケット分は既に完売。
ホール取扱い分等、手に入るチケットがまだ僅かにあるが、こちらも完売の可能性があるので迷われている方は早めに確保しておくことをお勧めする。

ただし今回、このライブには配信チケットがある。
なんと無尽蔵に用意されている。
ここを読まれている方でまだチケットをお持ちでない方は、こちらをお勧めしたい。

 ライブ配信チケット 
【料金】¥3,500⇒¥2,800(GO TO イベントにより2割引♪)
◆プレイガイド:イープラス Streaming+
発売:10/23(土)12:00~12/10(金)21:00までhttps://eplus.jp/sf/detail/3491140001-P0030001
配信期間:12/4(土)17:00~12/10(金)23:59まで

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人生何があるか分からない。
私がお手伝いするのはこれで最初で最後だろうと思っていた広島でのライブも翌年には2回目が開催された。今は状況的になかなか厳しい日が続くが近いうちきっと3回目も開催されると信じている。

ヲルガン座の扉を叩いたあの日から沢山の出会いがあった。
青春との再会や新しい風達との出会い。
そこから広がっていった様々な出来事はここではとても書ききれない。
そして人生には色んなことが起こる。時に辛いことや苦しいことも。
理不尽さに嘆くこともあった。
全てを手放してまたそっと去ろうと思ったこともある。でもそれらは全て今の景色に繋がっていて意味のないことなど何もなかった。自分の直感は信じた方がいい。
そして意外に大事なのはじっとしている時はちゃんとじっとしているということだ。
焦らず腐らず小さな何かを繋ぎながら。
そうすればいつかきっと時は動く。

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