思わぬところで、金沢三社に初詣
金沢中央郵便局の近くに、「三社」という地名の場所があります。
この辺り、3つ神社があったのかな?と勝手に想像しつつ、いつか探してみようと目論んでいました。でも機会なく日は過ぎていました。
今年に入り、予期せずその機会がやってきました。
三社にある金沢中央郵便局、左側が郵便局のメインの入口です。
何十メートルか離れたところに、金沢で最古の用水、大野庄用水が流れていて、「三社どんど」があります。
「どんど」とは、用水の水を調整する水門のことです。用水歩きをしたときに、おもしろいなあとそこは行ったことがありました。
でも、金沢中央郵便局のすぐ右側奥へは足を踏み入れたことがありませんでした。
気が向いて行ってみると、住宅街の中に、不思議な鳥居がありました。こちらも気になりますが、別の機会に譲って先へ。
さらに、数メートル進むと三社町の石碑の隣に神社があります。
三社の宮、豊田白山神社
ここで、三社町の説明を見ると、「旧石川郡戸板郷三社村で氏神三社の宮があったのでこの名となった」とありました。
氏神は、霊峰白山の菊理媛命、八幡神の応神天皇、春日神の武甕槌命(たけみかづちのみこと)です。
江戸時代どんな感じだったのかな?と古今金澤アプリで見てみると、寛文7年(1667年)の地図には用水沿いにすでに三社宮の記載があります。
用水?あれ?大野庄用水は少し離れたところだけどなんだろうと、確認すると、三社どんどから上流入ったところで枝分かれした大野庄用水の分流です。
石碑の続きには「武家屋敷に農家、町家が混在した町であった」とあります。
今では残っていませんが、田畑も近くにあり、用水が引かれていた可能性が高そうです。
神社は、「豊田白山神社」です。雪もかすかに残る中、思わぬところで、初詣へ⛩
山門も、趣きがあります。
屋根は、細かな板が使われていて、門の土塀の上の瓦はかなり古い感じです。
中へ入り、反対側から見ると、
丸太が一本どかっと冠木(かぶき)、門の柱をつなぐ横木として使われていました。
お参りにと進むと、両脇の灯籠も歴史を感じる出立ちです。
近寄ってみると、赤戸室石の雰囲気。
2023年、いい年になりますように!とお参りして、いざ拝殿の建築も。
屋根を支える虹梁にも、彫刻があり、その下にあまり見たことのない四角形の彫刻があります。
種類も鳥や猿といろいろで、楽しく見て回れます。
蟇股には、派手ではないけれど、素朴なお花の彫刻です。
さらに、神社の脇にも、花の彫刻があります。
江戸時代の東照宮を思わせます。
有名な日光東照宮の眠り猫。
江戸時代に金沢城にあった金沢東照宮(現尾崎神社)の彫刻。
豊田白山神社のものは極彩色ではないけれど、彫刻の型が似ています。
もしや、豊田白山神社のこの建物は江戸時代のの?
江戸時代の地図には、三社宮は存在するけれど、江戸時代の建物が残っているとは限りません。
どうなのかなと思っていると、説明板があり、
「旧名を三社の宮と称え、・・中略・・宝永四年(1707)建立の本堂は拝殿その他山門、灯籠等よく旧溶を残している。」
先に古そうだなあと思った山門も、灯籠も、この拝殿も江戸時代のものでした。
今の三社の範囲は意外と広く、中央郵便局の反対側まで続いています。
江戸時代には、さらにいくつかに分かれていました。
郵便局向こう側には、旧三社五十人町の石碑があります。
足軽五十人組が住んでいたところです。三社は、先の石碑の説明文通り、「武家屋敷に農家、町家の混在した町」でした。
今回は、思わぬところで三社の宮に遭遇し、初詣となりました。
犬も歩けば、棒に当たると言いますが、金沢では歩けば江戸によく当たります。
参考
石川県神社庁ホームページ
https://www.ishikawa-jinjacho.or.jp/shrine/j0222/
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