小声で発狂#47 自分の成長が楽しみで仕方がない

『人生は自分を発見する旅である。』
これはゲーテが述べた言葉だと言われている。

この言葉を聞いてどのように思うだろうか？
単純な頭を搭載している僕は、まさにその通りだ！と激しく同意する。

僕にとってこの世界は、不思議なことで満ち溢れている。
たとえばそれは、毎日太陽が昇っては沈んでを繰り返していることだったり、目に見えない電脳世界が存在していることだったり、人が涙を流すことだったりする。列挙しだすとキリがない。

さらに不思議なのは、おそらく僕はこの不思議を真に理解することなく、死んでいくということである。なんということだろう。僕はこの世界の住人でありながら、この世界の仕組みをほとんど知ることはないのだ。

いや待たれよ君、命題を掲げ追究すれば何か理解できることもあるだろう？
そう思われる方も少なくないかもしれない。たしかにそうだ。
すでに先人たちは研究を重ね、仕組みを理解し、現在の我々に多大なる事実とされている事実を残している。その恩恵を甘んじて受け入れてゆけば、簡単にさまざまなことを知ることができるだろう。

しかし、捻くれた頭を搭載した僕は、僕にとっての真理ではない！と控えめに否定する。でも実際そうなのだ。

太陽の周りを地球が自転しながら公転していることも、ネットワークと呼ばれる通信網がこのスマホに繋がっていることも、外部刺激により自律神経が涙腺を刺激することも、知った気になれる。でも知ったこっちゃないのだ。

明るくなったら目を覚まして暗くなったら眠るために太陽は動いている。
側に居られない人と繋がるために電波で構築された世界がある。
悲しいでもなく嬉しいでもない、どうしようもないときに涙がでる。

わからないことをゆっくりと知ってきた。
これこそが、人生という旅なのではないかと僕は思う。
そしてこの旅こそが生きる理由として十分なのではないかと思う。
不思議に出会って、長い時間をかけて真に理解していく。
その真理が自分をつくりあげていく。

もうすぐ20代が終わる。まだまだ若造で幼稚でダサい。普通にしんどい。
しかし最近、これまで理解してきた軌跡と、この先に旅路に思いを馳せてみると、自分を知っていくこの旅はけっこう楽しそうだった。

#47 自分の成長が楽しみで仕方がない