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アロッサ(渋谷/オセアニア料理)

最初の印象はよくなかった。
ランチタイム、ラストオーダー30分前、かつ看板も出ていたのに、料理の材料がないとそっけなく入店を断られたのが最初の訪問。売切なら看板を下げおいていただけると助かります、と確か私は遠回しに不本意な気持ちを伝え、更にその後もう1回、今度はラストオーダー1時間前に。だけどやっぱりその時も同じ理由でお断りで、看板はまたしても出したままだった。

だけど2回も断られたから、逆に気になった。そこで今度は11:30の開店と同時に、ひとりで行った。東急本店から山手通りに向かって坂を上り、途中Y字に伸びる道を右へ。そのすぐ先に赤レンガの2階建ての建物があって、ニュージーランドの国旗が靡いている。階段を下った先の1Fはバーカウンター、テーブル先の2階へは、店内の急な階段を昇った先。深い茶色の木の床にクリーム色の壁、シンプルな茶色のテーブル。凝った内装ではないけど安っぽい感じは0で、さすが松濤の人気店。

そしてラストオーダーの前に売り切れてしまう人気の秘訣が分かった。当時1,000円ちょっとのランチなのにキヌアや麦を使ったカラフルなサラダに、3000円くらいのコースのメインディッシュで出てきそうな堂々とした一皿。こんなクオリティのランチがこの値段で食べられるなんて、と、二度も塩対応されたことなど、一気にどうでもよくなった。
その日から一気にファンになり、一時期は火水木のランチ営業日、すべてに顔を出すほど通い詰めた。その後ランチ営業は土日だけになったもののコロナ渦でまた復活、今でも2週間に1度はランチを食べに行く。友達とのランチも、相手に特に希望がないならアロッサを提案する。

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足繁く通ううちに店員の方とも顔馴染みになり、またきましたね、久しぶりですね、と会話をすることが増える。食後の飲み物はコーヒー、ブラックですよね、と軽く確認されるたびに、このお店に認めてもらえたようで、お店に馴染んできたようで。

1回目の印象が悪くても、こんな出会いがある。第一印象で判断すると損をするのだ、何にでも。


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