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37/100 金子みすゞ著「わたしと小鳥とすずと」/俗物な自分との邂逅

ここ最近で嬉しかったことといえば、半ば諦めていたクリスマス限定の香水の予約ができたこと。

このnoteを書いた際は迷っている、と思ったのだけど、朝からミーティングが続いていた予約日当日、午前中最後のミーティングが終わるや否や一切迷わず店舗に電話。ようやく繋がり「予約を受け付けました」と言われた時にはかなり舞い上がった。

彼に言わせると私の喜びは限定品かつ話題の品を手に入れたという満足感、それは「ミーハーの極み」とのことで、正論すぎて言い返せない。確かにそうだよな、と思う。それが私なんだな、と思うと残念で、だけど一方で、とてもしっくりきた。

10代の頃からの私の憧れの女性といえば作家の山田詠美だ。彼女のエッセイは文字通り擦り切れるまで読んで、彼女みたいに流行に左右されず、自分がいいと思うものをただ身に着ける女性になろうと思った。だから皆が欲しいと思うようなものを敢えて選ばないように、という反骨心を、長い間ずっと、持っていた。

ところが妊娠して、子を育てる、しかも女の子を、となった時にとたんに流行が気になるようになった。自分がイケてないせいで子がはぐくむ人間関係に悪影響を及ぼすことは避けたいと思ったからだ。
それ以来「世間」で認められているものを身に着ける、というのを意識するようになった。それはずっと女性と仲良くなることが苦手だった私には女性の世界へのパスポートみたいなものに思えた。そして私にとって流行の品は自分をかさ上げしてくれるブーストアイテムに思えて、自信がついた。これを文字にすると恥ずかしい上に、何だか情けないのだけど。

私は俗物的な人間だった、山田詠美にはなれなかったんだ、と40をすぎて実感する。認めてしまえばあっけなくて、心おきなく、世間でも評判のいいアイテムのうち、どちらを選ぶ、なんて悩み方に抵抗がなくなって苦笑する。

わたしが両手を広げても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。
金子みすゞ「わたしと小鳥とすずと」

今回自分の俗物的な部分と対峙してまっさきに思い出したのがこの詩。みんなちがってみんないい。みんなと同じで安心しても、それはそれできっといい。

金子みすゞとシンクロした、そんな心持ち。


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1977年生まれ。外資系企業でカスタマーサービスのマネージャー、以前はDRESSやマイナビウーマンでライターも。結婚離婚を経て妊娠出産を契機に40歳で再婚。2歳の女の子を育てています。

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