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この3連休、「バレエ」へのお誘い

バレエ、特にクラシックバレエというのは、細くてちょっとお金持ちそうな子が習っている、格式の高い習い事、という印象。少女漫画の世界でも、才能を見出された「天才」が、瞬く間にスターダムにのしあがっていったりと、そんなちょっと別次元の世界にみえる。
選ばれた者だけが踊り、選ばれた者だけが楽しむ、それがバレエ。
そんな印象をきっと多くの人は持っていて、私も長年そうだった。

そんな私が突然バレエに夢中になったのはこの動画がきっかけだった。

この動画をみた時の衝撃はいったい何だったのだろう?今思うのは、これまで見慣れていた人間の動きの中に「美」の可能性があることを知ったこと。ただ歩くだけ、両手を大きく広げるだけの動作の中に「美」があることを知らなかった。手足のしなりだったり背骨のカーブだったり、そんなことに「美」を感じたのは初めてのことだった。
それ以来、この動画に出ているダンサー、ポリーナ・セミオノワの動画をYoutubeで夢中でみるようになった。そして彼女が踊るような有名なバレエに少しづつ詳しくなり、そしてバレエ団の公演に、実際に足を運ぶようになった。

そんなバレエに関しての2回目の衝撃。それが2019年にみにいった英国ロイヤル・バレエ団でみた「シンフォニー・イン・C」という作品だ。

私は長年バイオリンとピアノを習っていて、それでクラシック音楽には馴染みがあるのだけど、音楽に振付をしたらこんな風になるだろう、というのが突然目の前に現れた感じがした。自分の脳内、しかもまったく言語化されていない、そもそもそも音に振付をしたい、なんて考えたこともない私が納得する動き、というのもおかしなことなのだけど、私が感じたのはそういうことだった。
このバレエを振り付けた振付師の名前をジョージ・バランシンという。それからジョージ・バランシンの振り付けた演目がある公演には通う習慣がついた。

そして3番目の衝撃がつい先日あった。これまた英国ロイヤル・バレエ団の3年振りの来日公演だ。Youtubeでみることができる名だたるダンサーの踊りより、今回来日したロイヤル・バレエ団のダンサー達には、踊りに対する余裕があるように見受けられた。
とにかくさらっと難しいことをする。バレエというのは決して到達できない高みにいかに近づくことができるか、振付家の頭の中にある理想化された動きにいかに人間がついていくか、のような要素があると思っていたのだけど、私がみたのは理想化された動きをさらっとこなしてしまう、超絶技巧集団だったのだ。その通常ならありえない「余白」の存在に、私は感激もしたし、そしておかしな話なのだけど、「誇らしさ」のようなものも感じた。

今までのバレエ観劇を通じて、特に今回の英国ロイヤル・バレエ団のガラ公演をみて、少し分かった気がしたのは「バレエ」は人間の素晴らしさに気づかせてくれるということ。
たとえば地元の高校の野球チームが甲子園で活躍すると、その土地に生まれ育ったことを少し誇り高く感じるように、「バレエ」をみると、同じ「人間」であることを何だか誇りに感じる。もちろん恵まれた骨格や美しさ、並外れた運動神経、そんな途方もない才能がそこにはある。ただ「バレエ」がみせる人間の美しさというのは、そんな恵まれた人たちが過酷な努力をしたうえでの美しさだ。そして「その過酷な努力の成果」が、バレエの本質的な美しさの源で、そして人間が到達できる未知なる可能性を感じさせてくれ、人間であることに「誇り」を感じさせてくれるのだと思う。

そんな「人間」であることに喜びと誇りを感じさせてくれる「バレエ」、しかも英国ロイヤル・バレエ団という、世界でも一、二を争うバレエ団の公演チケットが、まだ売れ残ってしまっている。。
https://www.nbs.or.jp/stages/2022/royalballet/index.html
7/17(日) 18:00
7/18(月・祝)14:00
会場は渋谷のBunkamuraで、帰り道に美味しいものをたべる、買い物にもうってつけの立地。チケットは11,000円~とそれなりのお値段がするものの、それくらいの価値がある、と感じさせてくれる公演だ。

私がみた公演は、すべてのプログラムが終わった後の拍手もすごかった。歓声が出せないから拍手で感動を伝えるしかなく、とにかく各自がありったけの力で手を叩いた。その一体感もとてもよかった。私の回は2回目の挨拶から全員がスタンディングオベーションで、拍手の音と、そして誰もが立ち上がって拍手をする姿に会場の興奮や熱気を感じて、その空間にいることが幸運だと感じた。

さてさてついでに公演の後に行くのにぴったりな、付近の美味しいごはんをご紹介。
アカームシノワはバーぽい感じの内装だけど普通に中華。おひとりさまも気兼ねなく入れる。今回ここで私はひとりでごはん食べた。おすすめは麻婆豆腐!


チェイスコもこれまたカウンター席多めのおひとりさま大歓迎イタリアン。パンチの効いたイタリアンでお薦めは炭火焼の肉料理とイカ墨のリゾット。

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13099162/

アロッサはほぼ毎週ランチにいっているオセアニア料理店。何を食べても美味しいのだけど、夜にいく時はスモークサーモンのマリネとラムチョップ、パスタをいつも頼む。変わったものだとカンガルーのステーキも。

この三連休、もしまだ予定がない方がいたら、ぜひ。ぜひ。

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