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今さらなクロアチア旅行記【その1:ザグレブ】

2018年にクロアチアに旅行した時に、そういえばiPhoneのメモに旅行記を残していた。

我ながらなかなかお気に入りの旅行記なので、備忘録も兼ねて残しておこうと思う。

10月5日: 旅の始まり クロアチア・ザグレブへ

ついにこの日が来た。お決まりの通り前日になるまで何もパッキングしておらず、眠い目をこすりながら深夜に荷物を詰めた。
勝手に午後のフライトだと思い込んでいたが11時頃のフライトであった為、まあまあ早く起きなければいけないことが判明(この時点で判明していること自体がおかしい)。仮眠に近い睡眠を摂って羽田空港に向かう。
世間は金曜日。朝の8時台。通勤ラッシュにどんぴしゃでぶつかった。いつも夜便でスラバヤに行っていた私からしてみれば、東京モノレールにあんなに混む時間帯があるなんて知らなかった。
経由地のフランクフルトまで約11時間半。前回デンマークに行った際に初めての10時間超えフライトで、ナメてかかったらマジでエコノミー症候群になりかけたが、時々立つ、ストレッチするなど教訓を活かしてセルフコントロールしたおかげで割とあっという間に着いた。(いや、睡眠不足の為眠っていた時間が長かったのが大きいか、、)
乗り継ぎ後のフライトは1時間半程度。クロアチアの首都、ザグレブに到着した。
さあ、ここからが最初の関門だ。今回の滞在はザグレブ・ドブロブニク共に民泊のようなアパートメントを予約している。クロアチアでは「ソベ」「アパルトマン」などと呼ばれていて、エアビーとやらが普及する以前からエアビー的な文化が根付いている。街中のあちこちに「SOBE」というマークを見かけた。
一人旅はいつもバックパッカーズに泊まっていたけれど、バックパッカーズよりちょっと多く払えばオウンルームに泊まれる(当然ホテルよりは格段に安い)ので、ソベを選択した。
到着予定時刻の連絡や鍵の受け渡しはオーナーと直接行う。が、妙なこだわりで、私は一人旅で海外用Wi-Fiは持たないことにしており、こういう時に関しては連絡が取れなくなることが恐怖だ(Wi-Fiなんて今時どこでも入るし、かといって街や自然を楽しんでいる時に携帯がブーブー鳴って余計な情報や連絡が入ってきてほしくはないのだ)。
ホテルのように目立つ立地や見た目ではないので、もちろん有料だがオーナーさんにピックアップに来てもらうことにしていた。
、、、会えるのか、、、、、?
空港のWi-Fiを使い、予約サイトを通じてオーナーさんに到着の連絡をする。即レスが来た。
「今向かってるよ。赤い車だよ」
赤い車ですか、、その辺にいっぱいありそうだけどな、、
私も可能な限り自分の情報を伝える。外のカフェの近くにいて、ピンクのスーツケース持ってるよ。
10分程待つと赤い車が近くに乗り付けてきた。Zoranという人が迎えに来るらしいのだが、勝手に若いパパくらいの中年男性を想像していた。
赤い車からこちらに人が歩いてくる。お互い探り探りの表情だ。

"Hi, Makichi(本当は私の本名)?"

現れたのは物静かそうなおじいちゃんだった。おじいちゃん、、、!!
そしてそうです私がまきちです。アイアムマキチ!イエス!!
意外とあっさり会えて良かった。Zoranおじいちゃんありがとう。
荷物も運んでくれてアパートに案内してくれた。写真で見たよりだいぶレトロな感じ(単刀直入に言うと建物は古め)だったが、清潔ではあるし、ロフトがあるのもいい感じ。
思いの外寒かったが、ケトルや紅茶も備え付けてあったので暖を取り眠りについた。

10月6日: ザグレブ1日目

しっかりと睡眠を取り起床。天気予報ではザグレブ滞在中はあいにく雨続きだったが、今日は朝のうちは晴れ間もありそうだ。
ゆっくりと準備をして散策に繰り出す。私のアパートは街のメインスクエアからトラムで3駅程西に行ったところにある。歩いてもメインスクエアまで15分〜20分程度だ。
秋が深まっていく時期の朝の空気はピリッと澄んでいて気持ちいい。左右をキョロキョロしながら東に進む。
メインスクエアを目指して歩いていると、思っていたより早く赤いパラソルの朝市に出くわした。ドラツ市場という有名な朝市があって、美味しい地元の食材やお花などを売っているとか。
のちにここはドラツ市場ではないことが判明するが、赤いパラソルという共通点があったのでてっきりドラツ市場と思い込んでしまった。最初の感想は「意外とちっせぇな」。そりゃそうだ。だってここドラツ市場じゃないもん。
とりあえずお腹が空いたのでドラツ市場もどきの横にあるカフェに入る。ここで食べたホットサンド、めちゃうまかった。
お腹も満たされたので、ザグレブに来たらまず見るべき聖マルコ教会を目指す。
、、、、、道が分からない、、、、、世界一短いケーブルカーを使って丘の上に上がれば早いそうなのだが、ケーブルカー乗り場があるはずの通りをいくらうろついてもそれらしきものがない。
たまりかねて道行くオバチャンに聞いてみた。バッグとシューズのイエローがコーディネートのアクセントになっている、イカしたオバチャンだった。
「カムウィズミー!」と言って、手を引いて案内してくれた。優しい、、、。
ここでようやく真相が判明したが、ドラツ市場と思っていた場所がドラツ市場ではなかったものの、その場所を起点に地図を見ていたので、2ブロックぐらいズレていた。そりゃ見つからないよね、、、
親切でお洒落なおばちゃんに別れ際にまた手を握られ、お別れした。聞いた通りの道を行くとちゃんと辿り着けた。
聖マルコ教会。写真の通り屋根の柄がなんとも可愛らしい。近くにある失恋博物館も見学した。一般の方々から寄贈された思い出の品々に一つひとつストーリーがあって面白かった(日本語版の解説集を渡してくれたので分かりやすかった)。
ひとしきり丘の上を散歩し、コーヒーを飲んで休憩し、丘を降りる。メインスクエアよりも北側にある、カフェやレストランがたくさんある通りを目指す。
途中でワインバー的な店を見つけた。そういやここガイドブックにも載ってたなぁ。クロアチアワインを少々味見するため店に入った。
アンティークな感じで割と広めのそのお店では、ワインやおつまみを買って帰ることもできるようだった。外の席にいるねと店の人に声をかけ、外の席に座った。
、、、、店員さんが来ない。15分くらい待っても来なかったのでさすがにしびれを切らし再度声をかける。
「ごめん、あなたがいることは認識してるんだけどちょっとバタバタしてて、、もうすぐ行くわねごめん!」
とのことだったので中で待つことにした。オススメのワインを解説付きで注いでくれるとのこと。15時半頃と中途半端な時間にも関わらずそれなりに客足が途絶えず、女性一人で対応していたので確かに忙しそうだった。
やっとワインを運んできてくれた。白赤一種類ずつちょうだいと言っていたのでまずは白から。
するとその女性店員がこう言った。
「待たせてごめんね。この一杯目はわたしが奢るわね」
オウ、まじか!待ってよかったぜ!ラッキー。
てなわけで白赤一杯ずつ飲んでチャージ含めて600円くらいだった。安っ。
お味は言わずもがな、美味でした。
その後もウロウロ。トルカチチェヴァ通りに出た。ここはお洒落なカフェやレストランがずらりと並んでいる通り。見ているだけで楽しい。さらに旧市街を散歩したのち、晩ご飯はこの通りにあるレストランでラムのステーキを食べた。
内陸であるザグレブは近隣のオーストリアの影響もあり、お肉をよく食べるのだそう。ラムもとても美味しかった。
トラムに初挑戦し、早めの帰宅。なかなかの出だしだったなと思いながらアパートに入ろうとした。
、、、、、鍵の開け方がよく分からん、、、、
この国の施錠、頑丈なのか何なのかよく分からんが3〜4回くらい回さないと開け閉めができない。回し方にもちょっとしたコツが必要なのだが、まだそれを知らない私はかれこれ10分くらい鍵穴と格闘していた。
おそらくガチャガチャと音が廊下に響き続けていたのだろう。お向かいの住人?滞在者?の男の人が「大丈夫?」と出てきてくれた。
「こうやってやるんだよー」とすんなり開けてくれたがまったくどういう手つきをしたのか分からず「?」という顔をしていたら私の練習に付き合ってくれた。優しい。
彼のおかげでついに開け閉めをマスターしたところで、「イェーイ」と謎のハイタッチを求められ祝した。お兄ちゃん、、ありがとよぅ、、それにしても優しいし謎にテンション高かった。
そんなこんなで1日が終了。色んな人の優しさとサービス精神に触れた1日だった。しかしながらいつもバックパッカーズに泊まっていたおかげですでに1人の夜が寂しくなっていた。

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