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今さらなクロアチア旅行記【その3:憧れのドブロブニクへ】

10月9日: ザグレブからドブロブニクへ

朝8時半頃にチェックアウトし、空港への送迎のために再びZoranにお世話になった。
会うのがもう2回目なので変な緊張感もなく、会話も沈黙もどこか自然な車中だった。
空港までの道のり、「ここはぼくが通っていた大学だよ」とか色々教えてくれたり、おしゃべりをした。
「来年はどこの国に行くのかな?」と私に微笑みかけたZoranの顔が朝日に照らされて、優しい顔がもっと優しく見えた。
空港に着き、Very nice to meet youと言ってお別れ。ありがとう、お世話になりました。一期一会という言葉の意味を身を以て噛みしめる、こういう瞬間が愛おしくてひとり旅をするのだと思う。
そんな温かい気持ちでチェックイン用の機械の前に立つ。「お前は機械でチェックインできないからカウンターに行け」と機械に言われる。
え〜、、なんで、、、、
カウンターに行ったら普通にチェックインできたから何だったのだろうと思って航空券に目を通す。座席は2C。
、、、2C?やたら前だな。
よく見ると「business class」の文字が!!!あー!アップグレードされてたのね!だからカウンター送りだったのか!とテンションが一気に上がる。1時間くらいのフライトなんだけど。
ちょっとリッチな気分にわくわくしながら搭乗。がしかし目の前にあるのはまあまあレトロな外観のもはやプロペラ機。(一応クロアチア航空)
この時点で期待度が若干下がる。この飛行機の「ビジネスクラス」って?
案の定、シートは国際線のエコノミーくらいの普通のシートだった。なんならちょっと破けててぼろぼろだった。これでビジネスクラスだったらエコノミーは一体どんな席なんだ?
ただ一応軽食はちょっとリッチなものが、飲み物もちゃんとしたグラスに入って出てきたので、せっかくだしそれらをつまみにして白ワインを頂いた。
あっという間にドブロブニクに到着。シャトルバスで市内に向かう。
30分ほど乗っていると、、見えてきた。ガイドブックで見たあの景色が見えてきた!
空はこれでもかというほど青く快晴で、そのおかげでこれまた真っ青な海と共存して、突如として現れる街。一面に広がるオレンジ色の屋根たちと、空と海の青とのコントラストが本当に美しい。夢のような世界だと思った。
観光客で賑わう停留所にバスが到着し、そこからタクシーを捕まえて、予約したアパートメントの住所まで向かう。着く頃に待ってるから大丈夫よ、とメッセージをもらっていたが本当なのだろうか。
タクシーが目的の住所に着いた。高台の上にあり、海と街並みの綺麗な景色が見下ろせる。さいこうだ!!さいこうだ!!!
すると上から声が聞こえた。オーナーっぽい人がテラスで待ってた(くつろいでた?)らしい。よかった、ちゃんと会えた。
いかにも南国っぽいノリのシュッとしたおばちゃんが部屋を案内してくれた。ザグレブの宿とは打って変わってプチホテルのようなとても広々とした部屋だった。
オススメのレストランをやたら教えてくれたり、わたしの言うことにいちいち「Super!」と言ったりする明るいノリだった。Super!ってイイネ!みたいなそういうノリなんかな。あんまりSuper!Super!って言う人見たことがなかった。
一休みして早速お出かけ。綺麗な街並みが一望できるスルジ山の山頂行きのロープウェイに乗る。
ロープウェイに乗って山頂まで登って行く時の気持ちは言わずもがなウハウハで、頂上に着いて山頂に腰掛けてしばらく海に浮かぶ美しい街並みを眺めていた時は本当にここは天国かと思った(実際標高も高いし)。
ただ見所はそれだけではなくて、ここ山頂には戦争博物館もある。
1991年の紛争の痛ましく忌々しい記憶を風化させまいと作られた博物館。ちょうど自分が生まれた時にこの小さな美しい国で戦争があったなど、到底信じられなかったけれど、そんなに昔でないからこそ残されている記録も生々しかった。これを機に、クロアチアはじめ旧ユーゴスラビアの歴史をかなり調べた。何も知らず呑気に旅行に来たことを恥ずかしく思った。無知って恥ずかしいことなのだ。教養ってそれくらい必要なものなのだ。もっと早く気付いてれば、もすこし真面目に勉強したなあ。
そんな気持ちに苛まれながら山頂を降り、夕食を食べに旧市街に向かった。せっかくだし宿のオーナーさんに教えてもらったシーフードレストランに行こう。
無事目的地に辿り着き、美味しい生牡蠣とイカスミリゾットをひとり悠々自適に堪能していたところで、お隣のご夫婦に声をかけられた。
「どこから来たの?やっぱり日本なのね!日本人の女の子で一人旅って珍しいわね。今日も散々ツアー客は見かけたけれど、あなたのように1人で来てる人は初めて見たわ。私たちも昔日本人の子をホームステイで受け入れててね、日本人の子ってちょっとシャイなイメージがあるから話しかけるか迷ったのだけれど、、」と気さくに話してくれたスイス人のご夫婦。とってもいい人たちだった。あーこういう出来事があるからやっぱり一人旅はいいなとこの日も思って、早めの眠りについた。

10月10日: ドブロブニク2日目

天気は予報通り朝から絶好調。旧市街を本格的に回る。まずは定番の城壁散歩から。
、、、って暑、、、、。オイオイまだ朝の10時半だぜ、、、。暑い、、。日差し強い、、。日焼け止め持ってくればよかった、、、。
たまらずその辺の売店でなんてことのないサングラスを購入。結果的にこいつにはかなり助けられることになる。
日焼け止めはこの時点では諦めて、早く行きたかったので城壁のチケットを購入し散歩を開始。
「まるで天空散歩」と言われている通り、海側では要塞や海の絶景が、山側では旧市街の街並みが上から一望できる。
とにかく綺麗、、海青い、、屋根オレンジ、、コントラスト、、綺麗、、、、、、
、、、、、暑い!!!!!!!!!!!!
暑い。旧市街内はそれこそ城壁や建物に囲われており日陰が多いもののこの天空散歩は遮るものなし!!こんなにも暑いのか!!
てなわけでコースの4分の1にも満たない段階でカフェにて搾りたてオレンジジュースをゴクリ。うまい。まじオレンジ。
気を取り直して散歩。旅の中でも最高クラスの絶景写真も撮れた。
そういえば散歩開始した直後に自撮りしてたカップルに「写真撮ってあげようか?」と声をかけ撮ってあげたら「あなたの写真も撮ってあげるよ」と一言。
お言葉に甘えてポーズを撮ろうとしたその時、彼氏さんが冗談で「ボクも一緒に写ろうか〜?」と言ってきた。
和やかなムードでわたしのピン写を撮ってもらったと思いお別れした後にカメラをチェック。
、、、なんかモーションのかかったツーショットがある、、、、
なんと彼氏さんが冗談を言っている時にわたしとお互い笑いあっていた写真を彼女さんが盗撮していた。なんとも楽しそうな写真。彼女さんおそるべし。ありがとう。いい思い出になったよ。
暑さと闘いながらも絶景を楽しみ、なんとか半周まで辿り着く。
、、、、お昼だなぁ、、、お腹すいたなぁ、、、朝バナナとみかんだけだったしなぁ、、、このチケットって再入場できるのか、、、、、?
半周のポイントにある出入口でオッチャンに聞いてみる。
「このチケットってさ、一回降りてランチしてまた上がってくることできる?」
「ノーノー、できないよハニー。入口でスキャンされたでしょ?あれでチェックしてるんだヨー。」(※注: ハニーとか言われてないけどとりあえずこのオッチャンのノリがこういう感じだったからデフォルメしてる)
「そっか。お腹空いたから一旦ランチ食べたいんだよねぇ。」
「オーケー!ボクもちょうどランチで1時間くらい外すから、また1時間後必ずここのゲートにおいで!他のゲートに行っちゃダメだヨ!」
、、、え、再入場させてくれるんすか、、てかこのオッチャンに会えへんかったら再入場できひんやん、、と思ったがまた会えることを信じ一旦城壁を降りる。
やっぱ美味しいシーフードが食べたいので地球の歩き方に載っていたレストランへ。シーフードリゾットとビールを注文。
運んできてくれた兄ちゃんがこれまた人の良さそうな兄ちゃんだった。「お鍋、メッチャ熱いから気をつけてネ!」と言ってくれた。
お鍋に入ったそのシーフードリゾットを一口パクリ。
、、、、、、、んんんんんんん美味!!!!!!!!!!
まるでビスクのような濃厚な海老のコク、その他魚介の出汁が口いっぱいに広がる。コメはちゃんと固め。
これはうまい。これは、、うまい。
見た目的に絶対2〜3人前だが腹ペコだったこともありほぼ完食。見た目的に絶対1人前じゃない。
人の良さそうな兄ちゃんに「Fino!(美味しい!)」と言ったら「Oh〜〜〜Fino!Fino!」つって期待を裏切らない満遍の笑みで返してくれた。
心底満足し、ドキドキしながら先程の城壁ゲートへ向かう。果たしてあのオッチャンはいるのだろうか。
チラ見から入る。、、、、、、いた。
あの陽気なオッチャンがいた!!!!
誰かと会話していたがおそるおそる近づいてみる。オッチャンがわたしに気付く。

オッチャン: 「ハーーーーーーーーーーーーイ!!!!♡」
※例えると数年会っていなかった姪っ子に久々に会った叔父みたいな感じ。知らんけど

「カムイン!カムイン!」つって何事も無かったかのように普通に入れてくれた。ありがとうオッチャン。いや、叔父さん。
オッチャンのおかげで無事城壁を一周完了。半周でギブアップしかけたけど、海側と山側で見える景色全然違う(し、入場料たけぇ)から、一周できてよかった。
その後は休み休み買い物をしたり、教会や修道院を回ったり。全然キリスト教じゃないけど教会ってなんか落ち着くし、外装・内装もそれぞれ特徴があって面白い。
だいたい1日半で主要なスポットは周り切ってしまった。はて、明日はどうしようか、、、。てか今日の晩御飯どーしよかな、、
なんて考えてぼーっととある店の軒先のメニューを眺めていたらウェイターに話しかけられる。なかなかテンション高め。
「まだお腹すいてないし、見てるだけだから、、」と言ったら
「じゃあ飲み物もあるよ!!ビール?ワイン?なんでもあるよ!薔薇の花も机に置くし、キャンドルも付けるよ、、、ロマンチックでしょ?!」
「いやーでも1人だし。ロマンチックも何も、、ねえ笑」
「1人じゃないよ!僕がいるし、店のみんながいるよ!」

、、、負けたぜ兄ちゃん。熱意に負けたぜ。Wi-Fi使えることを確認して店内に入る。
「Be my guest!」と言われ、ホストにハマる人ってこういうところからなのかなぁ、、とふと考えてしまった。
オススメの赤ワイン(美味しかった)を頂き、ディナー前の時間帯で忙しくなかったこともあり色々とおしゃべりした。楽しかった。
「明日も来てよ!18時以降なら僕いるから!ディナーで来て!」と言われたが所詮商売だからねぇ、、と思ってしまったわたしはひねくれ者だろうか。
使わせてもらったWi-Fiで調べたのがドブロブニクからの1日日帰りツアー。ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルがとても気になる。
ドブロブニク、めちゃくちゃ綺麗で良い所だが、いかにも観光地で物価も高く、日本語もわりとあちこちから聞こえてきて結構お腹いっぱいになりつつあった。とりあえずインフォメーションに行ってみるか、、。
デスクに行ってアイテナリーを聞いてみた。帰ってくるのも夕方でそんなに遅くないしなかなか良い感じ。思い切ってモスタルに行ってみることにした。
晩ご飯に食べたラザニアは可もなく不可もなく、であった。

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