春の雨揺れ

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Perch.のお手紙 #93

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真夜中の地震、怖かったですね。


「怖いなぁ」という気持ちは、身体の中に冷たく硬いしこりの様になって、私の中に留まる。


すぐに溶けて解けることもあれば、ずっとずっと残って、硬く固く身体の中に残り続けることもある。


すぐに消えてしまうもの、長く長く留まるものの、その違いはなんなのでしょうね。



一昨日の夜中の恐怖は、ごりっとしたしこりになって、昨日の私をギクシャクとさせました。


春にきれいな美しいスカートを履いたり、写真のスタイリングの美しさをたのしんだり。仕事をしすぎない様にして、お花屋さんまで散歩をしたり、本を買って、好きな子に電話して声を聞いたり、メールをしておしゃべりしたり、先輩たちの夜ご飯に混ぜてもらって、おいしいものを食べたりわいわいしたり。


そうしてやっと、しこりが溶けていくのを感じました。


たまたま時間のある日で、しこりを溶かすことに取り組めたから。


けれども、そんなに都合よく時間が取れることは稀なことです。


私が忘れてしまっている、もしくは忘れたふりをしている、そこにあることが当然すぎて気づけなくなってしまった、冷たいしこりが、私の中にあったりするんだろうか。

するんだろうな。


なんてことを考えたりしている、雨の金曜日。


朝。


部屋のストーブが紅く灯って、あたたかい。