槇 泰志

猫はいいですね。

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マガジン

  • 料理など、食について

    食べることが大好きです。

  • エッセイ

    サラッとしてキラッとした文章が目標です。

  • 創作

    もっと妄想力を鍛えなければ。

  • 最近、観た映画

    涙腺がゆるくなりました。

  • 最近、読んだ本の感想など

    本があるから生きていけます。

最近の記事

プシュ! 至福のひととき……そして猫

「プシュ!」 この音が大好きだ。缶ビールのプルタブを開ける音である。 ほんとうにいい音だと思う。これを聞いただけで、すでにウマい。 炭酸が入ったビールという飲み物を発明した人に、時空を越えて感謝したいと思う瞬間だ。 そんなに酒飲みという訳ではないが、人並みに酒は好きだ。 気のおけない仲間と居酒屋で飲むハイボールも、しゃれたバーでしっとりと飲むウイスキーも、休日のテラス席で青空を見上げて飲むワインも、すべからく美味しいと思う。 でも、いちばん美味しいと思うのは…… 仕事がと

    • 家に何もないときの、フライパン一つで作れる簡単カルボナーラ

      日曜日の昼。 パパ、何か作ってと言われて冷蔵庫を開けるが、ほんとうに何もない。 かみさんも娘もお腹をすかせていて、買い物に行く時間もない。 あるのは、常備してあるパスタと卵、牛乳とニンニク、調味料くらい…… そんな時、フライパン一つで簡単に作れて、かつ、見映えがいいので手抜き感が少ない(ないとは言わない)必殺料理が、我が家にはある。 紹介しよう。 「なんちゃってカルボナーラ」だ。 材料は、下記の通り(2人分)。 パスタ 200g 卵 4つ ニンニク 1かけ 牛乳 適量

      • おじさん ドラえもんに泣く

        また「ドラ泣き」してしまった。 新型コロナウイルスの第三波と言われる昨今、出歩くのは避けなければ……と思いつつ、「これだけは」という思いで一人で観に行った「STAND BY ME ドラえもん2」のことだ。 僕のようなアラフィフのおじさんにとって、「ドラえもん」は特別な作品だ。 何しろ、初めて自分のお小遣いで買った本はドラえもんの1巻。初めて劇場で観た映画は「ドラえもん のび太の恐竜」(ドラえもんの劇場版第一作)という世代なのだ。 思い入れの深さは、生半可ではない。 そんな

        • サラダって何?

          糖質を控えめにするダイエットをしている。 炭水化物を控えて、サラダを食べるよう心がけている。 そんなある日、ふと思った。 ……サラダって何? 世の中には、「マカロニサラダ」というものがある。 ほぼ炭水化物だ。 だって「マカロニ」は小麦から作られていて、「パスタ」の一種なんだから。 申し訳程度にタマネギのスライスが入ってたりするが、あれをもって「生野菜」扱いとは、さすがに無理があるんじゃないだろうか? (ナポリタンスパゲティーにもタマネギが入ってるけど、スパゲティーサラダと

        プシュ! 至福のひととき……そして猫

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        記事

          安いのに絶品! 「鶏すき」と「〆のカレー」

          「ビーフカレー、牛肉抜きで」 かれこれ20年くらい前、カレーの専門店でそう注文する職場の先輩がいた。 注文したカレーに肉が入っていたりすると、「ちぇっ。……これやるよ」と、食べる前に僕にくれさえした。 不思議に思って聞くと、「オレ、牛肉食うと下痢になるんだよ」とのこと。 「じゃ、ビーフじゃないカレーにすればいいじゃないですか」と言うと、「でも何つーか、肉のエキスが入ってた方がルーは旨いんだよ」と答えた。 変わった先輩だと思ったものだった(エキスでは下痢にならないのか?)が、今

          安いのに絶品! 「鶏すき」と「〆のカレー」

          寒い日に… 身体が温まる! (禁断の)サッポロ一番

          あまりにもお手軽で美味しいので、これからの季節、我が家の昼の食卓にヘビーローテーションで上るメニューがある。 「特製・サッポロ一番みそラーメン」。 なんだサッポロ一番かぁ、とか、定番だよねー、とか思うなかれ。 「特製」というところがミソなのだ(注・ダジャレではない)。 そのまま調理したのでは若干、手抜き感が漂うインスタントラーメンだが、ちょっとしたひと手間で劇的に美味しくなる。 身体がぽかぽか温まり、食べごたえ・満足感も十分な、「我が家の秘伝レシピ」をご紹介しよう。 <材

          寒い日に… 身体が温まる! (禁断の)サッポロ一番

          “貧乏神”と歩んできた人生

          振り返ると、いつもあのゲームで遊んでいた。 僕の人生には、そんな特別なゲームがある。 「桃太郎電鉄」。 言わずと知れた、すごろく系ゲームの「ど定番」である。 出会いの印象は、弱かった気がする。 第一作の発売当時、僕は高校生。小学生の頃から週刊少年ジャンプを愛読し、ドラクエなどファミコンのゲームの進化と一緒に育ってきた世代だ。もちろん、「桃太郎電鉄」は発売と同時に購入した。 ただ正直なところ、やってみて、それほど強烈なインパクトはなかったと思う。 高校生の僕にとって、ゲームは

          “貧乏神”と歩んできた人生

          やさしさについて(びろうな話です)

          「強くなければ生きていけない。優しくなければ、生きていく資格がない」。 そんな名台詞を、昔、聞いたことがある。中学生の頃だったと思う。 カッコいい言葉だと思った。 僕は強くないので、せめて優しくなりたい、と思った。 それから数年たち、大学生になった頃。 僕は「優しさ」ってものに、ちょっと屈折した感情を持つようになっていた。 先に言っておくが、多分に、自分がもてないが故のヒガミである。 その頃、僕の友だちに、さしてイケメンでもないのに妙にもてるヤツがいた。 彼がもてる理由とい

          やさしさについて(びろうな話です)

          昔、友達の隣でビールを飲みながら考えたこと

          「挑戦」という言葉は、重い。 そこには、「ちょっとやってみた」とは違う響きがある。 毎日休まずに練習した、夜も眠らずに働いた、他のすべてをなげうって取り組んだ…… そんな悲愴感のようなものがつきまとう。 だけどその努力は、いつも報われる訳じゃない。 ……実はきっと、そんなに肩肘張らずに、気軽に、楽しんで、無理なく取り組む方が理にかなっているんだろう、と正直、思う。 いまどき「挑戦」なんて流行らない。 「やってみた」でいい。 それでも、長く生きていれば、一回や二回(人によっ

          昔、友達の隣でビールを飲みながら考えたこと

          寧静の流れ 闇を舞う光

          その街を訪ねた理由は、蛍だった。 田んぼの中を走るローカル線を降りると、そこは山間の古都、山口県山口市。 街を流れる一の坂川ではこの季節、ゲンジボタルが見られるという。 地図を頼りに歩くと、川はすぐだった。岸の桜が影を落とすせせらぎに、悠々と鴨が泳ぐ。 幕末、志士たちが行き交い、新しい時代のために多くの血が流れた歴史が嘘のような、長閑な風景だ。 カフェに入り、夜が更けるのを待った。 文庫本から目を上げると、外はとっぷり暮れていた。 店を出て、川に近づくと……いた。 そこか

          寧静の流れ 闇を舞う光

          『表参道のセレブ犬…』の意外な内容

          不意打ちを食ったような気持ちだ。 ちょっと文章のうまいタレントが書いた、旅のエッセーだと思っていた。 とんでもない。 いまの日本を生きづらいと思う、もっと言えば、30年前の日本より今の方が生きづらくなっていると思う、そんな社会への違和感のようなもの、自分の中のコンプレックスみたいなものを、ふわっとすくわれた気分だ。 そうしたものから逃げるように、あるいはそうしたものと闘うために訪ねた、キューバ。モンゴル。アイスランド。 淡々とした筆致に誘われるように、僕も、その旅路を追体験

          『表参道のセレブ犬…』の意外な内容